平成26年度には,共同協調作業支援ミドルウェアの適用領域として,人の活動だけでなく,自動車間の連携システムやセンサーネットワークを考え,以下の研究項目を実施した. (1)平成25年度に引き続き,自動車間の協調連携システムにおいて,自動車内,自動車間のセンサーデータをストリームデータとして扱い,これを処理して,利用者に情報提供する車載データストリーム管理eDSMSの,特にリアルタイムスケジューリングアルゴリズムの試作,評価を行った.また,平成25年度にAndroidデバイス上に実現した自動車と運転者間の協調連携システムのプロトタイプを基に,Android版eDSMSを開発・評価した.具体的には,プロトタイプ版であった制限事項であるPC上でのコンパイルが必要という問題点をなくし,eDSMSと同様のデータフロー言語をクエリ言語に採用,Androidアプリから様々な利用が可能となった. (2)センサーネットワークで共同協調作業支援ミドルウェアを提供するには低消費電力でセンサーネットワークを動作させることが必要であり,そのためのルーティングアルゴズムを研究した.具体的にはエネルギーホールが発生しそうになった場合に,ノードの電池残量を考慮してルーティングを変更するアルゴリズム,このルーティングアルゴリズムにセンサーの故障発生時の対応のアルゴリズムを考案した. 本研究の成果は,論文誌2件,学会発表7件(内,データベースのトップカンファレンスである31st IEEE International Conference on Data Engineering(査読有),情報処理学会組み込みシステムシンポジウム(優秀ポスター賞),情報処理学会研究報告(高度情報システムとスマートコミュニティ)(ITS研究会奨励賞),査読有国際会議での発表4件を含む)であった.
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