社会の持続可能性は早急に解決すべき重要な社会問題である.情報技術を用いて持続可能な社会を実現するための様々な取り組みがおこなわれているが,我々は,それをオペレーティングシステムとして実現することで解決しようとしている.過去の研究との大きな違いは,物理的なリソース管理により使用エネルギーを削減するのではなく,人間の行動をナビゲートすることにより,更なる消費電力の削減を実現しようとしている.
本年度は,クラウドソーシングの考え方を利用するオペレーティングシステムを構築し,評価をおこなった.具体的には,特に,ユーザの行動を動機づけるするための仕組みに関する検討をおこなった.1つ目の方式は仮想マネーを用いる方式で,お金を流通することで,ユーザに重要なことを気づかせることで,動機付けをする.2つ目の方式は,仮想ヒューマンを用いて共感を利用して行動をナビゲーションする方式である.最後の3つ目の方式は,ロールプレイイングを用いる方式である.シナリオを作成し,その社会的影響を分析することにより有効性を示した.また,開発したプロトタイプシステムの知見をまとめ,将来の類似のシステムを構築する際のガイドラインとして提示した.特に,人間の動機がユーザの行動をナビゲートする際に重要となり,具体的にどのようなメカニズムが利用可能かの提示をおこなった.
これらの成果は,国際会議の論文として発表をおこなった..
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