研究課題/領域番号 |
24500058
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
枝廣 正人 名古屋大学, 情報科学研究科, 教授 (50578854)
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キーワード | メニーコア / タスク配置 / 組込みシステム |
研究概要 |
今年度は、昨年度提案した初期アルゴリズムの改良を行った。プロセッサ数を16コアから64コアに拡張し、特に集中メッシュトポロジに対するアルゴリズムの検討を行った。与えられたタスクグラフをクラスタ化し階層構造を構成する「クラスタリング」、クラスタを均等に分割する「分割」、分割結果をプロセッサトポロジグラフにマップする「配置」の三段階に分け、それぞれに対してアルゴリズムを提案した。 その結果、昨年度提案したアルゴリズムに対し、通信コストを15%程度減少させ、かつ、全体の混雑度分散化にも成功し、提案手法の有効性を示した。 また、デッドライン等、組込みシステムならではの制約事項を考慮し、一つのプロセッサ内でタスクの順序を決定するアルゴリズムを提案した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は、③階層クラスタリング手法を用いたタスク配置アルゴリズムの提案、および、④タスク配置問題に特徴的な制約事項を考慮した手法の提案、について進める計画であった。 これに対し、すべての項目に対して手法を提案し、プログラムを実装し、簡単な例ではあるがタスク配置を実現できた。そのため、おおむね順調に進展していると考えている。ただし、昨年度16コア、16タスクであった対象を、64コア、64以上のタスクとしたものの、メニーコアとしては小規模であるため、今後さらに大規模な実験を行うとともに、手法の改善を進めていくことが必要であると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、まずは大規模な階層型メニーコアに対するタスク配置に関して考案アルゴリズムの適用を進め、必要に応じて改善を進める。さらに平成26年度は、④タスク配置問題に特徴的な制約事項を考慮した手法の改良、を進めるとともに、当初予定していた⑥具体的アプリケーションを利用した性能評価、についても進める。アプリケーションとしては組込み制御分野を想定している。なお当初計画では、⑤階層型スケジューリング・アルゴリズムとの連携方式の提案、を進める予定であったが、④タスク配置問題に特徴的な制約事項を考慮した手法、を進めたところ、制約事項を考慮する段階でスケジューリング考慮が必須であり、本研究で提案するアルゴリズムに階層型スケジューリング・アルゴリズムを含むことがわかったため、連携としては進めないこととする。
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次年度の研究費の使用計画 |
当初計画よりも旅費実績が低めであったため差異が生じた。 大規模問題への適用を進めるため、高性能計算機を購入する計画である。人件費・謝金、および旅費を削減し、高性能計算機購入に充てる計画である。
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