並列計算の大規模化に伴い,通信時間の増大が並列計算の性能向上を阻害する要因となる.特に多数のプロセスによる定型パターン通信である集団通信は,多くのアプリケーションで使われているうえに,プロセス数に応じて通信時間が増加するため,性能への影響が大きい. そこで本研究では,集団通信を計算と並行して実行することで通信時間を隠ぺいするための非ブロッキング集団通信と呼ばれる技術について,いくつかの手法による実装と評価を行った.さらに,並列プログラムの特徴に応じて最適な実装手法を選択するための基本的な調査を行った.
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