研究課題/領域番号 |
24500070
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研究機関 | 首都大学東京 |
研究代表者 |
福本 聡 首都大学東京, システムデザイン研究科, 教授 (50247590)
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研究分担者 |
新井 雅之 日本大学, 生産工学部, 助教 (10336521)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 高電磁環境 / 故障モデル / ディペンダブルコンピューティング / 組み込み自己テスト / 周期的な多重故障 / DC-DC コンバータ |
研究実績の概要 |
26年度では, 25年度に成果が得られた (1) DC-DCコンバータのスイッチングノイズの影響を回避するディジタル制御回路の知見を基に,より一般的な制御回路に関する高信頼化手法を検討した.また,24 年度に検討した,(2) 組み込み自己テストによって周期的な多重故障の影響を計測して回避する高信頼化手法について再び取り組んだ. 上記の (1) の検討では,まず,制御回路などの比較的小規模な順序回路の定量的信頼性を評価するための新しいモデルを構築した.具体的には,研究代表者らの提案したレジスタ三重化回路の各レジスタの状態に着目して,離散時間マルコフ連鎖を生成させた.つぎに,元の順序回路の組み合わせ回路部分の回路情報から,アナログシミュレーションレベルで各信号線に同時多重過渡ノイズを印加し,状態遷移確率を特定した.そして,最終的にはマルコフ連鎖の過渡解および定常解を基に,実用的な計算時間で精度良く,信頼性評価することに成功した. また,上記の (2) の再取組みでも,シミュレーションベースによる評価手法を検討した.提案している故障回避方法の要諦は,ノイズの継続期間分布の上限値を正しく特定することにある.しかしながら,これは実際には簡単ではない.観測されるノイズの継続期間は確率的であり,フリップフロップの入力信号線に重畳するノイズのうち,最も継続期間の長いものでも,常にその上限値に達するとは限らないからである.本研究では,オンラインテストで特定した上限推定値に適当な補正係数を掛けることで修正した値を用いる場合に,その妥当性の根拠を与えるためのシミュレーション実験を行った.ルネサスエレクトロニクス社の H8 プロセッサのサブセットに提案手法を適用し,想定される継続時間分布のもとでロジックシミュレーションを行い,補正値の有効性を評価した.
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