研究課題
本研究は,スマートシティにおけるサービス競合問題を検出・解消する枠組の提案を目的とし,期間内に次の5つを達成することを目指した:(1) スマートシティおよびサービスのモデル化手法の検討,(2)スマートシティにおけるサービス競合問題の定式化,(3)サービス競合検出手法の開発,(4)サービス競合解消方式の開発,(5) サービス競合管理システムの開発と評価.平成26年度は,上記(1)~(5)のうち,主に(5)に取り組んだ.まず,都市内のスマートホームやインフラ等から収集したビッグデータ(センサやシステムログ等)に基づいた実用的なサービスの開発を行った.具体的には,スマートシティやスマートホームから収集される機器操作,電力消費,環境測定値等の大規模ログの効率的な管理・提供サービスを開発した.また大規模ログを活用した,高度なコンテキストを定義するサービス,定義されたコンテキストを利用して,様々なサービスをECA(Event-Condition-Action)ルールで作成するシステムも構築した.さらに,これらのサービスを人間に提供する際のインタフェースとしてバーチャルエージェント技術を利用した対話システムの構築も行った.開発したこれらのサービス間のサービス競合は,平成25年度に提案した「ユーザ要求と環境インパクトを考慮したスマートサービス間の環境競合の検出・解消手法」に基づいて分析された.その結果,実用的なスマートシティ,スマートホームのサービス群に対して,サービス競合問題がサービスの機能や品質を低下させる事例があること,開発したサービス競合の検出・解消を通してこれらを防止できることが分かった.今回の評価実験は,おもに数件のスマートホームのデータやサービスを想定したものであった.実際の都市規模のサービスへの適用実験は今後の課題となった.
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 謝辞記載あり 4件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (16件) 備考 (1件)
International Journal of Software Innovation
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http://www27.cs.kobe-u.ac.jp/achieve/pman.cgi?MODE=list