研究課題/領域番号 |
24500080
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
太田 能 神戸大学, その他の研究科, 准教授 (10272254)
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キーワード | センサネットワーク / 通信プロトコル / ネットワークコーディング |
研究概要 |
本研究の目的は、情報収集型無線センサネットワーク(WSNs: Wireless Sensor Networks)においてシステム寿命への影響を抑えつつ、耐故障性を向上し、情報収集率を高めることである。 情報収集型WSNs では、一般に、シンクに最も近いレベル1のノードの中継パケット数が他の上位レベルのノードに比べて多くなる。レベル1のノードのバッテリが完全に消耗すると、そのノードのみならず、そのノードが中継する必要がある上位レベルのノードのセンシングデータもシンクは受信できなくなる。一方、シンクから遠い上位レベルのノードは、中継パケット数が少ないため、システム寿命への影響はレベル1のノードに比べると少ない。 そこで本年度は、昨年度開発した、センシングデータの冗長パケットを迂回パスで送信することで耐故障性の向上を図る情報収集プロトコルST(Side Trip)方式と、さらにネットワークコーディング(NC: Network Coding)によりシステム寿命への影響を低減するSTNC(Side Trip with NC)方式をIEEE CCNC2014において成果発表するとともに、ノード配置密度にばらつきがある環境での特性改善を行った。また、ネットワークシミュレータ Scenargie に情報収集型センサネットワーク評価環境を実装し、NCを適用した場合の簡易スループット特性評価を行った。 さらに、Android端末による情報収集タイミング制御の実証実験、ならびに二次元シート型センサネットワークにおけるノード給電技術として複数点給電方式を開発し、実証実験を伴った論文発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画していたとおり、本年度、経路構築に工夫をこらすことでマルチパス経路を空間的に分離する ST 方式ならびにネットワーク符号化技術を応用することで送信パケット量削減を狙った STNC 方式の海外成果発表を実施できた。また、商用ネットワークシミュレータSenargieへのネットワークコーディング機能をもったマルチホップ性能評価基盤を構築し、スループット性能評価を実施できた。これらのことから、おおむね当初の計画どおりかそれ以上に進展していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
(1) 今後の研究の推進方策 最終年度は、開発した情報収集プロトコルの学術論文投稿のための準備を行う。また、商用ネットワークシミュレータによる評価実験を十分に行い、提案方式の有効性を検証する。ノード間の干渉などの影響を評価する必要があることから、実証実験を行い、ノード間干渉がある場合のスループット特性モデルの開発を行う。 (2) 次年度の研究費の使用計画 性能評価用端末の導入ならびに、論文別刷代、研究会、総合大会での発表と情報収集のための国内旅費に研究費を充当する予定である。
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