本研究では,P2Pシステムに対する悪意のある振る舞いを抑制するための方法について,システム総運用コストの最小化という観点から提案をおこなった.まず非構造型P2P上の信用度計算アルゴリズムに関しては,理論的な解析の結果,提案手法がオリジナルのEigenTrustアルゴリズムと比べて十分低い計算複雑度を持っていることが明らかとなった.いっぽう構造型P2Pに関しては,スターグラフをベースにしたオーバーレイ上に実現された分散ハッシュテーブル上で信頼度計算を頑健におこなう手法をあらたに提案し,その性能を理論的に評価した.
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