研究課題/領域番号 |
24500086
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研究機関 | 岩手県立大学 |
研究代表者 |
瀬川 典久 岩手県立大学, ソフトウェア情報学部, 講師 (20305311)
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キーワード | sensor network / stratospheric balloon / out-door use / 狭帯域スペクトラム拡散通信 |
研究概要 |
(1)Raspberry Pi を利用したMAD-SS送受信ノードの開発:組み込み機器Raspberry Pi を活用し、MAD-SSの送受信ノードの実装を行った。盛岡市郊外で動作を行い、送受信が可能なことを示した。 (2)スマートフォンを活用したMAD-SS受信ノードの開発:DSP組み込みマイコンCortex-A0は、格安タブレットと呼ばれる、1万円程度のタブレットに導入されている。そのタブレットをターゲットにし、MAD-SSの受信ノードの開発を行った。具体的には、Anrdoid OS 上にMAD-SS受信ライブラリを移植し、Androidタブレット上で音声デバイスドライバから受信ライブラリを呼び出すことでタブレット上での受信が可能になった。 (3)成層圏気球を用いたMAD-SS中継通信の検討とMAD-SS電波伝送実験:災害などによって受信局が一時的に使えない状況において、地上に設置された1mWから10mW程度の低電力で送信するセンサネットワークの情報を収集する手段を提供する必要がある。そこで、成層圏気球を中継局として通信することを提案する。従来の地上に設置したセンサネットワークとは異なり、成層圏に到達する気球を利用した長距離のMAD-SSセンサネットワークの活用を提案する。高度20,000mまで上昇した気球は、地上とMAD-SSで通信を行う。例えば、MAD-SSの電波の出力を10mWにした場合、半径100km以上の通信が可能になると考えられる。本提案が使えることを示すために、MAD-SS送信機を実際に成層圏気球に装着し、静岡県で放球し、山梨県上空に達したとき、岩手県盛岡市での受信に成功した。このことから、MAD-SSの電波到達度を評価することが可能になり、広域センサネットワークの構築に進むと考えている。 (4)特定省電力で動作する MAD-SSシールドの開発:従来のMAD-SSの送受信は、アマチュア無線などの免許が必要なバンドを用いていたが、特定省電力で動作する無線機の開発を外部機関と共同で行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
広域伝送が可能になったが、その評価実験のためには、無線機の設置をお願いする必要がある。 そのためには、かなり広い範囲で、電源、無線機、リモート管理付きPCなどのリソースが必要である。 これらの装置は、費用もさることながら、管理をする人材が必要である。 これらの準備が整ったのが、26年度1月のために、ただいま、実験を急いですすめているところである。
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今後の研究の推進方策 |
機材と実験補助人員が確保できたために、まず、実験装置の設置および送受信プログラムの運用を開始する。釜石市の漁港に、水位計の設置許可を得ることが可能になったので、この情報を本手法で、岩手県滝沢市にある岩手県立大学まで中継転送を行う実験を行う予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
外部発表件数が、予定よりすくなくなったために旅費1回分が余ってしまった。 平成25年度で構築したシステムで、評価実験を至急行い、直ちに成果報告を行う予定である。 国内発表での研究会で利用する予定である。2015年7月末に、京都で電子情報通信学会 ASN研究会があるので、そこで発表を行う予定である。
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