研究課題/領域番号 |
24500090
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
石橋 勇人 大阪市立大学, 創造都市研究科, 教授 (70212925)
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キーワード | 分散協調キャッシュ / 携帯端末 / アドホックネットワーク / オーバレイネットワーク |
研究概要 |
昨今急速に普及が進んでいるスマートフォンやタブレット等の携帯端末は,3GやLTE, WiMAXといった遠距離の通信が可能な通信手段(以下,遠距離通信手段)と,WiFiやBluetoothといった近距離向けの通信手段(以下,近距離通信手段)の両方を備えていることが多い.本研究では,遠距離通信手段と近距離通信手段の両方を備えた携帯端末が,狭い範囲(近距離通信手段によって通信可能な範囲)に多数存在するような状況を想定している(近距離通信手段のみを有する端末が混在していてもかまわない). このような状況において,各端末が遠距離通信方式を用いて独立にインターネットに対する通信を行うと,通信容量が不足し,ユーザ体験の質が大きく低下することになりがちである.また,災害時において避難所に多くのユーザが集まっているような状況では,通信品質の問題ばかりではなく,バッテリの節約のためにも無駄な通信を避け,できるだけ通信量を減らすことが求められる. そこで,近距離に存在する端末群を近距離通信手段を用いて自律的にクラスタ化し,クラスタ内部からクラスタ外部(インターネット)への通信を制御することによって,クラスタ全体として各種リソースの有効利用を図るシステムについて研究を行っている.ここでいうリソースには,通信帯域,バッテリ,ストレージなどが含まれる. 今年度は,主に本システムにおけるクラスタ構成方式や代表の選出方式,通信プロトコル,各端末の情報を集約する手法に関して個別に検討を行った.概要としては,クラスタ内でアドホックにオーバレイネットワークを構成し,それを基盤として各種情報交換を行う形で情報を集約する.システムとして構成した場合における有効性の定量的評価が行えていないため,今後の課題と考えている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究協力者の確保が困難であったため,実装については困難な状況である.このため,今年度の予定に対して昨年度に実行できなかった実装分を上乗せするところまではできていないが,その他の点に関して本年度の進捗状況はほぼ予定の範囲内ではないかと考えられる.
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今後の研究の推進方策 |
ここまでの研究の進捗やそこでの検討結果を踏まえ,インターネット接続の間欠性という要素よりも外部接続チャネルの効率的利用という側面を重視して研究を進める予定である.その上で,外部アクセスのスケジューリングにおいて間欠性の要素を加えることを検討したい.元来の計画においても,間欠接続における接続間隔はそれほど大きくないことを想定しているので,このことによって研究内容が大きく変わるわけではない.実機への実装は必ずしも不可欠ではないと考えられるため,その点に関しては基本的に省略する方向で検討している.
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次年度の研究費の使用計画 |
7,917円と極めて少額であり,単年度予算の不合理さを解決するために基金化された主旨を勘案すると無理に調整する必要はないと判断した. 次年度予算に上乗せされる金額はわずかであり,特別な措置を講じることなく通常の計画の範囲内で使用できる.
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