研究課題
基盤研究(C)
本研究グループでは,災害時における迅速で効果的な情報収集及び救助活動支援を目的として基盤C(課題番号:21500082)の援助を受け,アドホックネットワーク技術と知的ロボット技術を融合した群知能ネットワークロボットシステムを開発した.しかし,東日本大震災での想定を超える被災状況を目の当たりにし,大規模な被災エリアで本システムを活用できるように「システムの拡張・発展」を図っていく必要があると考えた.本研究では群知能ネットワークロボットシステムを大規模な被災エリアで用いることができるようにするための設計技術と制御技術について研究し,その研究成果を広く社会に発信する.本年度は,大規模な自律分散型ネットワークを想定した数千次元の最適設計問題に対して,設計条件を満たす許容解を効率的に発見できる手法(確率論的な多点探索型の最適化手法)の解探索アルゴリズムを設計し,その評価プログラムを完成させた.この際,高次元の最適設計問題を高速に解けるように,このアルゴリズム(評価プログラム)を並列計算に適したものにした.また,代表的な高次元連続型多峰性関数の最適化問題に対する数値実験を通して,設計構築した確率論的な多点探索型の最適化手法(差分進化型改良ABCアルゴリズム)の解探索性能を詳細に評価し,その有効性を明らかにした.数値実験の結果は,本手法(差分進化型改良ABCアルゴリズム)が数千次元の最適設計問題に対して適用可能であることを示している.
2: おおむね順調に進展している
本年度は,大規模な自律分散型ネットワークを想定した数千次元の最適設計問題に対して,設計条件を満たす許容解を効率的に発見できる手法(確率論的な多点探索型の最適化手法)の解探索アルゴリズムを設計し,その評価プログラムを完成させた.また,代表的な高次元連続型多峰性関数の最適化問題に対する数値実験を通して,設計構築した確率論的な多点探索型の最適化手法(差分進化型改良ABCアルゴリズム)の解探索性能を詳細に評価し,その有効性を明らかにした.当初の計画通り,提案アルゴリズムの有効性評価まで終えることができた.順調に進展していると言える.
平成25年度は,当初の予定通り,まず前期においては,システムの頑健性向上を目的として,提案した差分進化型改良ABCアルゴリズムを異なる複数の許容解が探索できるように改良した発展アルゴリズムを設計し,詳細なる数値実験を通して,この発展アルゴリズムの有効性を明らかにする.そして後期においては,この発展アルゴリズムを群知能ネットワークロボットシステムへ導入し,数千のノード群で構成される大規模自律分散型ネットワークの設計に関する評価実験を通して,導入したこの発展アルゴリズム(複数許容解探索アルゴリズム)の有効性を主にコスト面から検証する.
平成24年度,一般の利用者(ユーザー)に使い易いシステム(群知能ネットワークロボットシステム)にするための物品費として使用した.繰越した50円は,平成25年度研究費と合わせて,研究計画通りに使用する予定である.
すべて 2013 2012
すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件) 学会発表 (2件)
International Journal of Innovative omputing, Information and Control
巻: Vol.9, no.1 ページ: pp.111-122
電子情報通信学会論文誌(A)
巻: vol.J95-A, no.6 ページ: pp.514-518
電子情報通信学会論文誌(B)
巻: vol.J95-B, no.6 ページ: pp.760-764
電子情報通信学会論文誌(D)
巻: vol.J95-D, no.6 ページ: pp.1321-1333
日本知能情報ファジィ学会誌
巻: vol.24, no.3 ページ: pp.791-802
情報処理学会論文誌-数理モデル化と応用-
巻: vol.5, no.2 ページ: pp.16-28