研究課題/領域番号 |
24500100
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研究機関 | 九州産業大学 |
研究代表者 |
B.O. Apduhan 九州産業大学, 情報科学部, 教授 (60238714)
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研究分担者 |
白鳥 則郎 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (60111316)
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キーワード | クラウド・コンピューティング / IaaSクラウドサービス / ハイブリッド・クラウド |
研究概要 |
H25年度はハイブリッドクラウドコンピューティング環境の構築を目的とした、マルチ・エージェントベースのIaaSクラウドサービス発見システムに関する研究を行った。 IaaS(Infrastructure as a Service)の1要素である業者提供のパブリッククラウドサービスは、ユーザに仮想マシンを提供する。その仮想マシンの性能、つまりインスタンスタイプは様々で、ユーザが選択に困るほどである。本研究では、昨年度構築したプライベートクラウドを用い、そこから適当なパブリッククラウドを選択する際に、ネットワークを通じてエージェントによりパブリッククラウドの提供するインスタンスタイプや各種の動的な情報を定期的に量り、ユーザが動的に最適なパブリッククラウドの発見選択を行うプロトタイプを開発し、検証した。 次に、そのIaaSクラウドサービス発見システムにこれまで研究してきたオントロジ更新メカニズムを適用した。各クラウドサービスのインスタンスタイプやその様々な情報を集約する際にオントロジやサブオントロジを用いて表現の差異の吸収や検索の効率化を図るが、元のオントロジが動的に変化しても再度サブオントロジを抽出せずにオントロジの変更内容を記述したアップデートパッチを転送してサブオントロジを直接更新する方法を組み合わせて検証した。 また、これまでのセマンティックグリッドに関する研究も継続して進め、セマンティックグリッドにおけるサブオントロジ抽出を分かりやすく可視化するためのエンドユーザツールを提案し、その成果を学術雑誌で公表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は持続的なIaaSクラウドサービス発見システムの研究であるが、その2年目としてハイブリッドクラウドサービスにおいてマルチエージェント・ベースの発見システムのプトロとタイプを構築することができた。そしてこれまでの研究成果を生かしてそのシステムにおいてオントロジの更新システムを組み合わせることができた。
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今後の研究の推進方策 |
本研究はハイブリッドクラウドインフラサービス発見のための持続的なシステムとして、これまで構築したシステムに新たなパラメータを複数追加することを検討している。マルチエージェントを用いて、クラウドオントロジーと動的データのデータベースをブローカーサーバに集約し、定期的にクラウドオントロジを更新して、発見システムを持続的に維持していく。 まず文献調査を行って、配備コスト以外にサービスを選択する基準やパラメータを確定する。適用できる技術を調査し、メカニズムのフレームワークと構築モデルを開発する。いくつかのアプリケーションを用いてメカニズムを検証し、メカニズムの性能の評価・分析を行う予定である。新たなパラメータによりオントロジ処理に負荷がかかると思われるが、その調整も検討する。 4月から12月にかけて上記のように、ハイブリッドクラウドのための持続的なIaaSクラウドサービス選択支援メカニズムの研究を遂行し、6月・12月・3月にICCSA-2014・UIC/ATC-2014・CSCI-2015のための準備・学会発表、1~3月には論文執筆の予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
本務都合により、研究協力者が予定していた成果発表のための国際会議に出席できなかったこと、また、PCの購入を次年度に変更したこと、により次年度使用額が生じた 上述の(今後の推進方策)に掲げている内容に加え、ATC-2014国際会議に研究協力者が参加し成果発表を行い、購入を見送っていたPC1台(ソフトウェアも含む)を購入し、最終的な研究目的を達成するよう努める
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