研究課題/領域番号 |
24500101
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 明石工業高等専門学校 |
研究代表者 |
佐村 敏治 明石工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (20288343)
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研究分担者 |
西村 治彦 兵庫県立大学, その他の研究科, 教授 (40218201)
成枝 秀介 明石工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (90549544)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 情報セキュリティ / 生体認証 / キーストローク認証 / ヒューマンインタフェース / 感情推定 |
研究概要 |
キーボードなどの入力装置による経時的なデータには各人固有のパターンが存在しており,この性質を利用する生体認証をキーストローク認証という.従来のキーストローク認証の研究はコンピュータ端末のキーボードを主体に議論が行われてきた.しかし,スマートフォンのような携帯端末の発展はめざましいものがあり,文字入力もキーボードのようなボタン型というタイプからタッチパネルによる入力に変化しつつある.特に「フリック入力」とよばれる入力手法は最近になって利用されるようになった手法であり,Android端末,iPhone端末等多くの端末で利用されている.本研究は,我々が行ってきた日本語非定型文入力のキーストローク認証の研究を基礎とし,スマートフォンへ適用した際にフリックによる文字入力による個人認証可能性,およびストレスや喜怒などの心身的感情ファクタの分析を行っていくことが目的である. 平成24年度では,まず,スマートフォンによるキーストロークパターンを明らかにするため,多数の被験者に対応した文字入力データ収集システムを開発し実験を実施した.スマートフォンのフリック入力固有の特徴量を導入することにより従来のキーボードによる認証率と同程度の評価値になることを確認できた.今後,更に特徴量の候補を検討し,個人識別手法の解明を行っていく. また,頑健性を持ったキーストローク認証を実現するため,新しいプロファイル用文書生成手法の提案を行い,高識別率を得ることを明らかにした.本手法により従来の特徴量抽出や識別手法の改善とは独立に識別率の向上を図ることができる.今後はスマートフォンを用いたキーストロークパターンについても検討を行う.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究を展開するために,平成24年度に交付申請書で記載した研究計画とその実施状況は次の通りである. (1)スマートフォンを用いた文字入力実験 実験システムを構築し,実証実験を行っている.個人識別手法の解明については次の段階まで進んでいる.心身的感情のファクタの推定については,予備実験を行った. (2)スマートフォンを用いた文字入力パターン特徴量の抽出及び識別手法の検討 キーボード入力に対する先行研究の知見を参照しつつ,スマートフォンの場合の特徴量や識別手法について再検討を行った.結果として従来では得られなかった新しい特徴量を提案し,我々の先行研究における手法を用いることで高識別率が得られることが確認できた.今後実用的レベルで識別が可能になるように検討を行っていく.
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今後の研究の推進方策 |
まず,昨年度開発した文字入力データ収集システムを用いて被験者数を増やす実験を実施し,信頼性のある結果を目指す. 次に,新しい特徴量の候補を検討し,個人識別手法の解明を行う.具体的には,昨年度提案したプロファイル用文書生成手法を用いて特徴量を結合することで高識別率となる特徴量を抽出する.識別手法には,提案している重み付きユークリッド法とArray Disorder法を融合したハイブリッド法を用いる.そして,特徴量の最適組み合わせと識別可能性について明らかにする.目標値としては,パソコンなどのキーボードによる認証率を同程度になることが期待されるため,表1に示すように識別率で95%以上,FRR(本人拒否率)5%以下,FAR(他人受入率)0.01%以下を目指す. また,文字入力からの心身的感情ファクタの推定として,被験者が入力時にストレスを与える基礎実験を実施する.有効性が示せるようであれば,大規模な実験を行い検証を行っていく.
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次年度の研究費の使用計画 |
Android端末が多様化し,またAndroidのバージョンにより仕様も変化してきている.最新の端末に対応するため,Android端末については最新バージョンが必要になってくる.そこで,昨年度はAndroid端末の購入を減らして,経費の剰余分を最新のAndroid端末に計上する.また,脳波計や心拍計は部品の破損や故障が起こることがあったため,修理費として計上する. 以下は,交付申請書によるものと同様である.無線LANルータ,Wi-Fiモバイルルータは昨年度同様に実験用に計上する.実験結果のデータを格納するデータベースサーバは,インターネットのどこからでもデータを収集できるようにするため,レンタルサーバを利用する.自宅に無線LANからインターネットに接続できる被験者は,スマートフォンを用いてインターネットに出られるので自宅で実験を行うことが可能である.またWi-Fi通信を利用すれば,実験場所を明石高専の限らずに,他の実験施設を利用して一度に多くの被験者を対象に実験を行うことができる.分析や解析を高速に行うためにデータ解析ソフト(MATLAB)を計上する. 他に,共同研究者と議論,検討すべき点も多々生じてくるため,調査・研究旅費が必要である.研究成果については順次発表を行う予定であるので,国内学会・研究会や国際会議への参加旅費,英語論文投稿への論文校閲や論文別刷費も必要である.
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