研究課題/領域番号 |
24500101
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研究機関 | 明石工業高等専門学校 |
研究代表者 |
佐村 敏治 明石工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (20288343)
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研究分担者 |
西村 治彦 兵庫県立大学, その他の研究科, 教授 (40218201)
成枝 秀介 明石工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (90549544)
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キーワード | 情報セキュリティ / 生体認証 / キーストローク認証 / ヒューマンインターフェース / 感情推定 |
研究概要 |
近年、スマートフォンと呼ばれる高機能携帯端末の普及が進んでいる。本研究では、従来から行われてきたキーボードを用いたキーストローク認証の研究を基礎とし、スマートフォンを用いて文字や数字入力を行う際の個人認証について検討を行う。スマートフォンを用いることにより、キーボードより新しい特徴量を抽出することができ認証精度の向上を図ることができる。本研究では実証実験を行うことで本研究の有効性を評価する。そして、高い認証精度を利用して心身的感情ファクタの分析を行っていく。 平成25年度では次の3点ついて研究を行ってきた。 1)平成24年度ではフリックによる非定型文入力による個人認証可能性について準備を行ってきた(本研究では「フリック入力タッチスクリーンバイオメトリクス」とよぶ)。今年度では43名の被験者に対して実証実験を行い、フリックに特化した特徴量を抽出し、キーストローク認証で扱ってきた識別手法を用いることで高い認証精度を実現することができた。 2)実証実験により、自由文書入力を200文字程度行えば認証が行えないことを確認した。また、プロファイル文書の連結手法を提案し、プロファイル文書10文書程度あれば約100文字の入力でも個人認証率が可能であることを示した。 3)スマートフォンにログインする際のセキュリティとしてPINが一般的に用いられている。しかしPINは総当たり攻撃や覗き見攻撃に対して脆弱である。そこでPIN入力と同時に生体認証を行うPIN入力タッチスクリーンバイオメトリクスの研究を行った。本研究では、スマートフォンでのPIN入力(4桁と10桁)に対するバイオメトリクスの可能性について検討を行った。PIN入力固有の特徴量を提案し、21名の被験者に対して実証実験を行った。その結果、高い認証精度を実現することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成24年度実施計画で目標を立てていた「特徴量候補の検討」および平成25年度実施計画で予定していた「個人識別手法の解明」については予定通り遂行でき、十分な成果を得ることができた。 フリック入力タッチスクリーンバイオメトリクスでは、フリック時間以外のフリックの長さや押下圧といったスマートフォンならではの特徴量を導入することで高い認証精度を実現できた。43名の被験者による実証実験により、非定型文約200文字入力では識別率 90.7%,本人拒否率 6.5%,他人受入率 2%を実現できた。約300文字まで入力できれば識別率 5.7%,本人距離率 4.6%,他人受入率 2.2%まで向上させることができた。また、識別手法として新たに提案したプロファイル文書連結手法を用いれば、約100文字程度の入力でもプロファイル文書10文書で識別率が95%まで向上できることを確認した。 また、研究課題では想定してなかったPIN入力タッチスクリーンバイオメトリクスについても研究に着手することができた。仮想ボタンの押下時間以外に押下した座標と押下圧を導入することで、21名の被験者による実証実験によりPIN4桁で等誤率 8%、PIN10桁で等誤り率 4%を得ることができた。 心身的感情ファクターへの影響については十分な成果は得られていないが、今年度の研究成果を生かして有効性を検討していく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
フリック入力タッチスクリーンバイオメトリクスの研究では、プロファイル連結手法を改良し、更に高い認証精度を目指す。また、実用化に向けてデモソフトの開発を行っていく予定である。他の認証システム(指紋、顔、手書き等)との比較実験を行い、利便性についても検討して行っていきたい。 PIN入力タッチスクリーンバイオメトリクスの研究でも実用化へ向けてデモソフト開発に着手している。デモソフトを実現するための技術的な検討事項として閾値決定法を確立していく必要がある。 心身的感情ファクターへの影響について、入力時の心身的状態の安定と不安定を判定できる研究を行っていく。有効性が示せれば実証実験を行い検証を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
海外への国際会議の出席がなかったため。 海外への国際会議参加及び英語論文完成のため、ネイティブチェックや翻訳の謝金に充てる予定。
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