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2012 年度 実施状況報告書

テクスチャの局所性及び自己相似性の概念を導入した事例参照型NPR

研究課題

研究課題/領域番号 24500114
研究種目

基盤研究(C)

研究機関名古屋工業大学

研究代表者

中村 剛士  名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (90303693)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワードグラフィクス / 非写実的画像表現 / テクスチャ合成
研究概要

テクスチャの“局所性と“自己相似性”を利用するアルゴリズムを導入し,高性能な事例参照型NPRの実現を目指す.事例参照型NPRは処理対象にたいし参照事例(絵画画像等)の持つ視覚的特徴を付与することで参照事例に類似した出力(絵画風画像等)の獲得を目指すものである.本研究では,“局所性”を用いるパッチベース処理と“自己相似性”を用いるピクセルベース処理を効果的に組み合わせる.これにより,我々が従来提案したパッチベース処理の欠点を補完し,出力品質と処理速度の向上を実現する.
当該年度においては,エネルギー関数について再定義を行い,柔軟な処理が可能な関数を設計した.また,グラフカットアルゴリズムを導入し,パッチベース処理におけるテクスチャ合成処理の質的向上と処理速度の向上を図った.
さらに、画像の特徴を保存しながら,処理対象を適切に分割するアルゴリズムとして,平均値シフト法を採用し,処理対象画像をオブジェクトごとに適切に分割した.これにより,分割されたオブジェクトごとの処理が実現した.すなわち,オブジェクトごとに異なるテクスチャパッチを用いた合成が実現出来ることになり,出力品質の向上を実現することができた.
他方,対話型システムの導入については,現在試験段階である.ユーザインタフェースとして,きり絵や貼り絵を作成するかのような直観的な操作の実現を試み,マウスや電子ペン,または指によるタッチ操作のみで操作可能なコンセプトデザインを考案・試作を行った.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

交付申請における研究実施計画にあるように,当該年度において一定の成果を挙げることが出来ていることことから,おおむね順調に進展していると考える.
エネルギー関数について再定義によって柔軟な処理が可能な関数を設計し,さらにグラフカットアルゴリズムを導入し,パッチベース処理におけるテクスチャ合成処理の質的向上と処理速度の向上が実現出来た.
また,平均値シフト法の採用により,画像内の異なるオブジェクトごとに異なるテクスチャパッチを用いた合成が出来ることになり,出力品質の向上を実現出来た.
さらに,対話型システムの導入については,直観的な操作を実現するための試作が完成し,マウスや電子ペン,または指によるタッチ操作のみで操作可能なコンセプトデザインを設計した.
これらの成果をまとめ,「毛筆フォントデザイン」に応用し,査読付論文として当該年度に発表した.

今後の研究の推進方策

ユーザインタフェースの評価実験を行い,直観的操作による画像合成を実現する.また,エネルギー関数,パッチの探索・配置アルゴリズムのパラメータチューニングを行い,出力画像品質の向上と処理速度の向上を実現する.さらに,動画像処理への拡張のための準備として,フレーム間の繋がりを考慮した動画用のエネルギー関数を定義し評価する.

次年度の研究費の使用計画

動画像処理を実現するにあたり,動画撮影用のデジタルビデオカメラと動画編集用のワークステーションを整備する.また,国内研究者との研究打ち合わせ,資料収集,国際会議・国内会議の参加費・旅費,他印刷費として使用する予定である.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] グラフ構造の類似性を利用した事例参照型毛筆フォント掠れデザイン2012

    • 著者名/発表者名
      合田裕, 中村剛士, 加納政芳
    • 雑誌名

      知能と情報

      巻: Vol.25, No.5 ページ: 1035-1046

    • 査読あり

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公開日: 2014-07-24  

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