研究課題/領域番号 |
24500117
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
島本 隆 徳島大学, ソシオテクノサイエンス研究部, 教授 (20170962)
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研究分担者 |
宋 天 徳島大学, ソシオテクノサイエンス研究部, 准教授 (10380130)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 動画像符号化 |
研究概要 |
本研究は、符号化効率を大幅に向上できる高性能な動画像符号化アルゴリズムを新規開発し、この研究成果をもとに、次世代の動画像符号化国際標準に提案することを目的としている。そのため、「高精度探索中心の選択」と「時間領域の相関性を利用した空間的な予測」を提案し、平均30%以上の圧縮率向上を実現することを目標に本年度の研究を行った。具体的には、 (1) 高精度探索中心の選択手法の改良 時間領域と空間領域の予測を組み合わせ、12個の予測探索中心から動き探索を並列に行う本提案の予測性能が優れていることを実証するとともに、予測により増加した演算量と探索中心の精度の向上により削減される演算量のトレードオフについて細部にわたる調査を行った。 (2) 画面内符号化における参照ブロック選択、参照画素選択、予測ブロック生成 時間領域の相関性を利用した空間予測方法は大変有効であるが、現在使用している参照ブロック選択、参照画素選択、予測ブロック生成法については単純な手法、あるいは従来手法を使用していた。そこで、それぞれに対して最適な手法を開発するため、幾つかのアルゴリズムを考案し検証した。参照ブロック選択については、動き探索を行う際に既に計算された最近似ブロックを用い、さらにそのベクトルを探索中心から予測して符号化する手法を検討した。参照画素選択については、選択された参照ブロックの画素を用いて、複数の方向の参照を行う必要があるため、参照ブロックの各方向の画素値の分散を用い、符号化ブロックの相応方向の分散と比較することにより、参照ブロックを正確に選択することを検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
先の「研究実績の概要」にも記載したように、ほぼ研究計画通りに順調に進んでいる。しかし、検証結果の整理およびその公表(学会発表等)は少し遅れ気味であり、今後精力的に取り組みたいと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、本年度少し遅れ気味であった研究成果の公表(学会発表等)に精力的に取り組むとともに、当初の研究計画である下記2点に取り組む予定である。 (1) 並列処理実装 NVIDIA 社の開発環境である「CUDA」を用いて、提案手法を実装する。現在提案している画面内予測、画面間予測、およびデブロッキングフィルタ処理の全てがブロック単位の並列処理が可能であるため、GPUによる実装を行い、その高速化性能を検証する。 (2) HEVC既提案手法との比較 提案手法の改良を行った後、本研究の提案手法とHEVC既提案手法を比較し、その優劣を分析する。HEVCに提案された複数の手法にはそれぞれの特長があり、画面間と画面内の手法を分けてそれぞれと比較する。また、提案手法とHEVC既提案手法を併用した場合、より良い性能を達成できることも考えられるため、併用する場合の検証も行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
コンピュータ等の備品費、ソフトウエア購入費、国内会議・国際会議等の旅費、学生の研究協力への謝金等で使用する予定である。
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