研究課題/領域番号 |
24500122
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研究機関 | 岩手県立大学 |
研究代表者 |
澤本 潤 岩手県立大学, ソフトウェア情報学部, 教授 (50438082)
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研究分担者 |
和田 雄次 東京電機大学, 情報環境学部, 教授 (30366398)
佐藤 裕幸 岩手県立大学, ソフトウェア情報学部, 教授 (70443679)
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キーワード | マルチデータベース / 仮想化DB / 分散データファイル / データマイニング / 知識融合技術 / 並列処理技術 |
研究概要 |
平成25年度は,平成24年度と同様の研究体制で研究を進めた。平成24年度の研究成果を基に、分散データファイルの統合化の研究、複数のDB視点からの知識融合技術の研究、負荷分散や並列処理技術等の利用による高速化の研究を行った。また、一部プロトタイプシステムの構築・評価を平成24年度から継続した。さらに、具体的応用事例であるデータベースマーケティングサービス、各種推薦方式、データマイニング手法を検討し、プロトタイピングを行い開発技術の適用イメージを探っていった。平成25年度の具体的な実施内容は以下の通りである。 (1) 分散データファイルの統合化の研究:幾つかの分散データファイル方式(特に、NoSQL)に対応した仮想化DBへの統合プロトタイプの作成・評価を実施した。この課題の実施には、以下(2)(3)の課題との協調を強化しながら進めることで、教育現場や産業界におけるデータマイニング技術の利用拡大、インターネットの商用サイトにおいて広く利用されるようになったNoSQLデータベースへの適用拡大を目指している。 (2) 複数のDB視点からの知識融合技術の研究:(ア) 仮想化DB上での複数DB視点構成手法のプロトタイプ作成・評価、(イ) 知識融合技術の方式設計とプロトタイプ作成・評価、を行い、各種の分散型のデータマイニング応用プログラム(Web教材データベースからの教材推薦やデータベースマーケティング応用)への適用・評価を実施した。 (3) 負荷分散や並列処理技術等の利用による高速化の研究:引続き、シミュレータの実装を行い仮想化処理方式の性能上の問題点を明確にしていった。さらに、仮想化処理方式に最適な負荷分散や並列化の方式設計とプロトタイプ・評価に着手した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成25年度は、平成24年度と同様の体制で研究を進めた。平成25年度は、全体計画にそってほぼ計画通りに研究開発を進めることが出来た。3つの課題に対してそれぞれチームを組み、分担して取組んできた。その具体的な達成度評価は以下の通りである。 (1) 分散データファイルの統合化の研究:幾つかの分散データファイル方式(特に、NoSQL)に対応した仮想化DBへの統合プロトタイプの作成・評価を実施した。特に、CSV、XML、RDB、NoSQL、Linked Dataなどを含めた異種DBの統合フレームワークの検討を行いプロトタイピングを行った。ほぼ、予定通りの達成度であり、プロトタイプによりその有効性と性能に関する評価を行うことができた。 (2) 複数のDB視点からの知識融合技術の研究:仮想化DB上での複数DB視点構成手法のプロトタイプ作成・評価については、Linked Dataを利用した情報統合について試作・評価を行った。知識融合技術のプロトタイプ作成・評価については、複数異種ECサイトのDBからのソーシャルデータを利用した商品推薦、Web教材データベースからの教材推薦、レシピを対象としたKH-Coderによるテキストマイニングを用いた共起ネットワーク分析などの各種の分散型のデータマイニング応用プログラムへの適用・評価を実施し、その研究成果を学会発表することができた。 (3) 負荷分散や並列処理技術等の利用による高速化の研究:引続き、シミュレータの実装を行い仮想化処理方式の性能上の問題点を明確にしていった。具体的には、仮想化処理基準を決定し、データベースの処理時間の算出方法などを明確にし、プロセス間の相互通信方式を試作・評価しその研究成果を学会発表することができた。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度は,平成25年度と同様の研究体制で進めていく予定である。研究協力者(大学院生)については、必要に応じて増員も検討する予定である。 平成26年度は,研究の最終年度として複数DB視点からの知識融合技術を用いた2種類のデータマイニング応用の構築・評価を適用性、性能など各々の観点から実施する。平成26年度の具体的な実施内容は以下の通りである。 (1) 知識融合技術を用いたデータベースマーケティングサービスとWeb教材データベースからの教材推薦サービスの構築・評価 (2) 産業界や教育現場におけるデータマイニング技術の利用拡大に向けた検討 を実施する。この結果,「仮想化DBMS」と「知識融合技術」のプロタイプの完成を目指す。
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