研究課題
前年度までの成果を基に各要素技術の統合と調和を行い、コンテンツベースの画像検索システムとして完成度向上を図った。画像検索システムの構築に際して、重要なことが二つある。一つ目は、「画像間の類似性を的確に定量化すること」、二つ目は、「ユーザとシステムのやりとりを通してユーザの要求を的確に把握すること」である。前者については、前年度までに、支配的特徴に基づく新しいタイプの画像類似度を提案した。また、後者に対しては、ユーザ満足度と情報検索における行動パターンの間にマルコフ依存性と呼ばれる統計的な関係があることに着日して、ユーザによって提示されたクエリ画像を基にフィードバックを繰り返す過程で類似度を適応的に変化させ、それによってユーザの要求に的確に応じることができるようなインタラクティブなシステムの開発を行った。多くの検索エンジンでは、ウェブページのランキング基準としてリンク構造がよく用いられているが、現在では、信頼度、人気度、重要性、季節性等、の基準を考慮することでユーザ満足度を上げる試みがなされている。ここでは、類似画像検索に向けて「変換不変性、計算時間の短縮、情報量圧縮、柔軟性の確保」のために、支配的特徴を用いることで解決を図った。最終年度の成果の一つとして、新しくオンラインショッピング等における消費者製品関連の画像検索のためのビジョンキーの概念を提案した。全体として画像を捉えるよりも、むしろ意味的に完全に異なるサブ画像領域の集合として捉え、マルコフ定常特徴を用いて同値類を定義し、ビジョンキーを構成することで、検索段階で、ユーザが対話的にビジョンキーを含む候補画像を取得することができる。提案システムの有効性は、500枚の画像を含む消費者製品の商標やロゴ等のデータセットを用いて検証された。ビジョンキーは、いくつかのセマンティックギャップを埋める一つの方法を提供する。
すべて 2015 2014
すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (7件) 図書 (1件)
Journal of Information Hiding and Multimedia Signal Processing (Accepted)
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