非定常的感情分析として,TwitterとSNSを対象とし,感情分析を行った. 具体的には以下の研究を行った.(1)Twitter感情分析用感情語辞書の作成として,これまで新聞記事から抽出した単語の感情語辞書を作成してきたが,Twitterは人々の話し言葉や若者の言葉が多く含まれる.そこで,映画のレビューを用いてTwitter感情分析用の感情語辞書を構築した.(2)Twitter上で用いられている顔文字の感情分析として,20代から50代のユーザ男女10名合計100名を対象としたユーザ実験を行い,顔文字の感情値を「喜」「好」「安」「哀」「厭」「怖」「怒」「恥」「昂」「驚」の10軸の感情軸にそって定量化を行った.さらに顔文字の「強調」「弛緩」「転置」「付加」の4つの役割を決定し,その役割毎の重みを求め,これらを用いて顔文字付きツイートの感情値抽出手法の提案を行った.(3)繰り返しによる絶叫を示したTwitter特有表現を考慮したTweetの感情分析として,テレビ番組や映画を見ながらリアルタイムにツイートしている物を対象とし,繰り返し表現が付加されたツイートを上記10軸の感情軸毎に定量化した.そして,ユーザが閲覧している番組の感情の盛り上がりを可視化し,これによりその番組の見所を抽出する手法の提案も行った.(4)Twitter用の感情軸の決定として,上記の研究成果より,10軸の感情軸ではTwitterに適していないことが判明した.そこで,次元削減を行うことにより,Twitter用の感情軸を決定した.さらに,(5)SNSからの耳より情報抽出手法として,ユーザがお得と感じる情報を耳より情報とし,SNS上の情報をP/Nに基づいた感情分析を行い耳より情報を抽出する手法尾提案を行った.
研究成果として,国際会議の論文6本,国内査読付き1本,国内会議15本,論文誌3本書籍1編(分著)を発表した.
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