研究課題/領域番号 |
24500138
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
櫻井 保志 熊本大学, 自然科学研究科, 教授 (30466411)
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研究分担者 |
吉川 正俊 京都大学, 情報学研究科, 教授 (30182736)
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キーワード | 時系列解析 / センサデータ処理 / パターン検出 / モデル学習 |
研究概要 |
拡張性が高い計算機サーバを大量に抱える近年のデータセンタはネットワーク社会において重要な社会基盤となっている。本研究では、並列処理を行っている計算機サーバ群を対象とし、それらのCPU温度および周辺温度を監視し、その温度センサデータをリアルタイムに予測し、負荷分散を行うことによって計算機サーバの温度の均一化を図り、データセンタ全体の電力消費量を低減化させることを目的とする。高精度かつ高速にCPU温度を予測するために、平成25年度は時系列データのパターン検出技術およびモデル学習技術の開発に取り組んだ。具体的には以下のテーマに取り組んだ。 時系列ビッグデータの高速解析技術: ネットワークから流れてくる大規模な時系列データ、すなわち時系列ビッグデータを高速に解析するための研究に取り組んだ。計算機サーバのCPU温度は負荷に応じて急激に変化することがあるため、高度な時系列データ解析技術を確立した。開発技術はパターン発見とモデル学習を高速、高精度、かつパラメータを一切必要とせず完全自動で行う。本研究に関しては、データベース分野において最も権威があり、最高峰の国際会議であるACM SIGMODに論文が採録されており、国際的にインパクトのある研究成果となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
ACM SIGMOD 2014をはじめとし、データベース分野およびデータマイニング分野における国際的なトップ国際会議に複数論文が採録されており、国際的にインパクトのある研究成果を出している。また、成果の一部は複数企業において導入が検討されており、成果の社会還元に関する取り組みも順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
大規模時系列データのモデル推定および情報予測技術に関する研究に取り組む。平成26年度はこれまでの研究成果を活用、発展させることによって技術レベルを高め、急激なトレンドの変化とデータの大規模化に対応できる新たな予測技術を開発する。そして、実データを用いて温度予測の精度および計算時間を評価する。 本年度に企業から大学に移り、設備面で大幅な研究環境の変化があり、新たに実験環境を構築中である。今後は、並列処理システムを用いた評価よりも、情報予測の理論やアルゴリズムの性能評価に重点を置いて研究を推進していく予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度は最終年度であるため、次年度は研究成果の発表をこれまで以上に積極的に行うことを予定している。そのためのリソースを次年度に持ち越すことにした。 国内、海外での研究発表のための旅費として使用することを計画している。
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