研究課題
本研究では,問題解決会議におけるグループ知を活かすための電子会議システム設計法の理論化を進めた.そこでは,グループ知の大きさを「意見の多様数」(多くの多様な意見を出されているかの量)と「意見の集約数」(多くの意見をうまく会議の結果に反映できるかの量)との積であると定め,各々を単語の種類数(異なる単語の数)をもとに自然言語処理で調べた.そして,集合知型会議の結果において,最終結論である文章(結論文章)に反映される単語の種類数(異なる単語の数)が多いほど,結論文章に対する満足度と相関が高いという関係が得られた.そして,意見が結論文章に反映されているかを自然言語処理を用いて明示する意見単語の反映チェック機能を実装した.平成27度は,意見単語の反映チェック機能を実験システムに実装し,過去に行われた集合知型会議の結果に適用した.集合知型会議とは十数人規模で行う会議である.最初に,複数人一グループが独立して会議を行う.そして,次に,すべての会議で出された意見をすべて使う会議(意見総和型会議),または,優れた意見のみを使う会議(意見選択型会議)を実施する.過去の実験結果では,意見総和型会議では出された意見の内容(単語)が反映されている数が意見選択型会議と比べて少なく,結論文章の評価が低かった.今回,提案機能を用いて意見総和型会議の結果を改善する実験の結果,意見内容の文章反映量を増加でき,得られた文章内容を改善できることがわかった.以上より,グループ知を向上できる電子会議の設計指針を理論化を通した枠組みとして示すことができた.その他,ブレインストーミングにおける意見出しのモチベーション維持を支援するインタフェースや意見出しに対してポジティブな意見を述べる効果を検討し,グループ知を用いた会議プロセスの初期段階に対する知見も得ることができた.
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創造学会論文誌
巻: 15 ページ: 43,63
Proceedings of Knowledge-Based and Intelligent Information & Engineering Systems 19th Annual Conference, Procedia Computer Science, Elsevier,
巻: 60 ページ: 926,9235
doi:10.1016/j.procs.2015.08.256