研究実績の概要 |
平成26年度は,平成24および25年度の2年間に研究開発を行った要素技術と応用システムについて,それらの有効性と機能・性能について総合的に検証を行う実験環境を構築し,専門的な観点から実験・検証・改良を行った。また,地域の研究協力機関と連携して,これらの実験システムを一般利用者に公開することで,研究開発成果の実用性に関しても実証的に検証した。今年度の主な研究開発内容は以下のとおりである。 (1)総合実験システムの構築と評価実験:平成24および25年度に開発した応用システムの中から,特に,専門技術者の訓練や一般利用者のものづくり支援に有効なシステムを選定し,学内外で評価実験が可能な可搬式実験環境を構築した。技術者訓練システムの実験では,大規模構内網の管理者向けに開発した拡張現実によるネットワーク可視化システムを通常の管理業務に利用しながら,実際の現場で求められる機能性と性能に関して実務者による評価を行った。ものづくり支援の実験では,実環境の計測・復元からその編集,3Dプリンタでの実体化までを手軽に実行できる初心者向け3次元造形システム用いて,一般利用者による実証実験を行った。これにより,多様な利用者の感性や嗜好に応じた個性化機能の有効性,造形機能の品質・性能・利便性等について,評価データの収集と分析を専門的な観点で行った。 (2)評価データの分析とシステムの改修:上記(1)の実験結果を検証し,実際の作業環境で発生する問題点の明確化と実用化を念頭に置いたシステムの改良を行い,追加実験を行った。 (3)研究成果の考察と総括:3年間の研究開発と実証実験の内容,および考察結果をまとめて,4つの国際会議(IEEE ICCE-TW, CISIS, BWCCA, IEEE AINA)と国際論文誌(IJSSC)で成果を公開し,研究を総括した。
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