研究課題/領域番号 |
24500150
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研究機関 | 岩手県立大学 |
研究代表者 |
佐藤 究 岩手県立大学, ソフトウェア情報学部, 講師 (70282035)
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研究分担者 |
小笠原 直人 岩手県立大学, ソフトウェア情報学部, 講師 (30305312)
布川 博士 岩手県立大学, ソフトウェア情報学部, 教授 (00208274)
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キーワード | グループウェア / 協調作業支援 / 共有ブロック |
研究概要 |
実空間での実物体を用いた組み立て,デザイン作業等を遠隔地から支援するシステムとして様々な研究がなされている.例えば,(a)音声画像通信や指示デバイス,あるいはARを用いて作業の指示を行うシステム,(b)遠隔地の作業空間内に自己の化身となるロボットデバイスを通して作業対象に対する作業者間の相互行為を実現するシステム,(c)VR,AR(あるいはMR)を用いた作業空間,作業対象物を共有するシステムがある. 以上のシステムにおいては,いずれも作業「空間」の共有に主眼がおかれており,そこで操作する作業空間に作業対象となる実物体(以下,作業対象物と呼ぶ)は,仮想的にしか共有されていない.これは,作業対象物として自由な形状を持つ既存の実物体を利用できる反面,作業者の作業対象物に対する物理的な操作に制約を与えている.そこで,我々は,「作業対象物」の共有に主眼をおくことにより,作業対象物にある種の制約を与える代わりに,作業者全員が自由に作業対象物への物理的な操作を可能とするシステム,すなわち,遠隔地に,形状とその変化が同期する実物体が同時に存在する環境を実現することを目標とした.しかし,自由形状かつ変化が自動的に同期するような物体は実際的ではないため,様々な作業物体を見立てることが可能なプロックを用い,複雑な作業物体の形状とその変化を作業者間で用意かつリアルタイムに(作業ではなく作業内の一手順として)同期させることを支援することにより,これを解決することとした. 具体的には,作業対象物を構築可能な部品を双方に配置し,その部品にぬ品自ら利用者の組み立てを完治し,遠隔地の部費tんを通じて直感的にユーザに組み立て方を提示する自立性を持たせることにより,作業対象物および形状の変化の対称性を実現し,対称的な作業空間の実現の支援を行う.本研究では,共有ブロックのプロトタイプの設計,実装を行う.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成25年度は拡張共有ブロックの実装,および,管理システムの設計を完成させることを目的とし,以下を計画通り行った. (a) 拡張共有ブロックのハードウェア設計では,前年度に作成されたハードウェア設計書に基づき,共有ブロックの外殻および,内蔵されるロジックボードの量産用試作実装を行った. (b) 拡張共有ブロックのソフトウェア設計では, 前年度に作成されたソフトウェア設計書に基づき,共有ブロックに内蔵されるロジックボード用の組み込みソフトウェアの実装を行った. 各実装においては大学院学生が主として担当するが,必要に応じて研究代表者・研究分担者が参加する.専門技術に関する知識や調査が必要な場合は,企業や関連する学会等に積極的に参加し情報収集に努めることとする.必要であれば,実装補助にアルバイト学生を利用した. (c) 共有ブロック管理システムの設計では,拡張共有ブロックに対応した共有ブロック管理システムの設計を行う.共有ブロック管理システムとは,共有ブロックの利用者ごとに存在し,ブロックの共有ブロック間の通信や物体の形状情報を管理しインターネットのゲートウェイとなるシステムである.基本設計は基礎研究において終了しており,共有ブロックの拡張機能に対応する部分の設計を行った.
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今後の研究の推進方策 |
今後は,以下の内容で研究を進めていく予定である. 平成26年度:拡張共有ブロック管理システムの実装,拡張共有ブロックの量産,評価実験を行う. また,研究が当初計画通りに進まない時には担当者だけでなく全員で解決策を協議することとする.専門技術に関する知識や調査が必要な場合は,関連する学会等に積極的に参加し情報収集に努める.
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