研究課題/領域番号 |
24500153
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 東京電機大学 |
研究代表者 |
渡辺 祐子 東京電機大学, 情報環境学部, 講師 (20287444)
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研究分担者 |
柴田 滝也 東京電機大学, 情報環境学部, 教授 (30349807)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | バーチャルリアリティ / 拡張現実技術 / 音響情報処理 |
研究概要 |
H24年度は、まずは耳介形状の特徴量の数値化に注力した.採取してある耳介のシリコンレプリカを3Dスキャナを用いて3Dメッシュデータ化を試みた.また特徴量の表現方法として、音波の伝搬現象を光に置き換え、光源から物体へ光りが入射した場合の鏡面反射量の綿密度分布の解析手法を導入し、耳介形状と光源の入射方向によってそれらの特徴量がどのように変化するか検討した.さらにそのデータと音像定位能力との相関分析を実施した. その結果、外耳道入り口からある特定の角度への反射光の量が音像定位能力と関係が深い可能性が見いだされた.一方で、耳介の特に耳甲介腔付近の形状の影響が特に重要であることから、今回、用いたメッシュ化手法では、その部分のメッシュ化解像度が不十分であると考えられることから、今後、別の3Dメッシュ化手法を導入することが不可欠であることも明確になった. またkinectを用いて身体運動の位置を計測しながら同時に頭部回転をジャイロセンサで検出し、それらのデータから、実験者の手元に仮想音源が生成されながら、手の動きに追従して、音像の位置が移動するインタラクティブ3次元音像提示システムも構築した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
H24年度に3Dスキャナを用いて耳介レプリカのメッシュデータ化と、そのデータを元に音像定位能力との関係分析を実施した結果、音像定位能力で重要となる形状部分(コンチャ部分)のメッシュ精度の向上が必要であることが示唆された.従って、MRIなどによる高精度なメッシュ化を再実施した上で研究を進めることが必要であり、当初の予定よりデータ採取と分析がやや遅れる結果となった.
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今後の研究の推進方策 |
今後は、まずはMRIを用いて高精度の耳介メッシュデータの作成を最優先して進め、耳介形状と音像定位能力との関係分析を進める.同時に耳介形状とHRTFsとの関係解析を進めるために、110個の耳介レプリカのHRTF測定を実施する.360度方向のHRTF計測を迅速に進めるために、全方向HRTFの自動計測システムを構築する. またARtoolkitやkinectを用いて、実験者の身体運動を検出し、その3次元座標値や角度に連動して動的に音像を制御する3次元音場再生システムを構築する.
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次年度の研究費の使用計画 |
H25年度は、MRI装置を使用して再度、耳介形状の数値化を試みるので、耳介サンプルの 3Dメッシュデータ化に伴う費用(装置使用費と解析ソフト代)を支出する。110個の耳介サンプルの頭部音響伝達関数のデータベース化のために360度方向のHRTF計測を実施するにあたり、計測を迅速に進めるために全方向HRTFの自動計測システムを作成するにあたり、その費用を支出する。また、成果発表のための出張費として使用する。
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