研究実績の概要 |
2種の母音の音声を聴かせた後に被験者がその音声をイメージした際、脳波と機能的核磁気共鳴画像法(functional magnetic resonance imaging, fMRI)データを用いて脳波の信号源信号を推定することで、音声をイメージしているか、イメージしているとすればどちらの母音の音声をイメージしているかを判別できる可能性が示された。この成果は学術論文へ投稿し、現在改訂中である。 本研究で用いる信号源信号の推定には、fMRIデータの情報をどの程度の閾値で用いるか、どの程度の重みをおいて推定を行うかによって複数のパラメータを設定することができる。そこで更なる精度向上を目的として、これらのパラメータが母音の判別精度に及ぼす影響を調べた。その結果、パラメータの違いによって判別精度が異なることがわかり、被験者によって最適なパラメータが異なる可能性が示された。この成果は2014年度の日本神経科学学会にて発表した。その後は、各被験者にとって最適なパラメータを見極めると共に、被験者に依存しない最適なパラメータを見出すべく検討を続けている。 また、解読できる母音数の増加を目指し、5種類全ての音声と子音を含んだ音声を聴かせた後にイメージした時のfMRIデータについてもデータを取得し、fMRIデータのみを用いた場合に各母音と子音を判別できるかどうか解析を進めている。今後は同様の検討について脳波実験も行い、これまでと同様の解析手法を用いて判別可能性を検討していく。
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