研究課題/領域番号 |
24500169
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
林 雄介 広島大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (70362019)
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キーワード | オントロジー / 標準化技術 / 教育工学 |
研究概要 |
当初の予定では,学習・教授プロセスモデルのセマンティックウェブ技術での処理の実装を目指していたが,本年度の研究を進めて行くにあたり,学習・教授プロセスモデルの抽象化作業が不十分であったために当初予定していた計画を変更し,事例の収集とその分析をまずは行うことに変更した.したがって,学習・教授プロセスモデルの処理技術の開発として,セマンティックウェブ技術での実装ではなく,独自のデータ形式であるが求められる機能の検討をふまえた上で,学習・教授プロセスモデルの抽象化や差分抽出,そしてその提示方法について検討した.その結果として,学習・教授プロセスモデルの差分抽出やそれを提示するためのシステムの開発を行った.成果としては,収集した学習指導案を分析して学習・教授プロセスモデルを構築し,モデルの事例とそこに含まれる教授知識の事例,そして,教授知識の分類の拡張を行った.また,構築したシステムでは,学習・教授プロセスモデルを対応する学習指導案と同時に表示することと,その対応関係を明示することで現場の教師に学習・教授プロセスモデルの内容を分かりやすくしている.また,2つの学習指導案を並列して表示し,その差分を強調して示すことによって学習指導案だけでは分かりにくい違いを表示できる.これは自然言語で書かれた学習指導案ではなく,学習・教授プロセスモデルで記述概念と形式を統一することによって構造的な比較をすることによって可能になったことである.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は当初の予定を変更したことにより,標準化技術との対応については進められていない.この点については,来年度に実施することとする.また,当初に来年度で計画していた事例の収集については,今年度にある程度行えたので,その分と合わせてそれほどの遅れは発生していないと考えており,やや遅れているとした.
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今後の研究の推進方策 |
最終年度は,残された課題である学習・教授プロセスモデルの処理の完成と標準化技術との対応を検討する.ただし,できるかぎり計画通りの研究遂行を目標とするが,提案する仕組みとそれを使って行える活動の確立を優先するものとする.
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