研究課題
昆虫脳のように微小脳でありながら高度な学習能力を実現する手法を考案し応用する研究を行った。昆虫の感覚器は人間のものに比べてレンジと解像度が限られていることが知られている。微小脳でも十分に機能する理由は彼らの生活に必要十分な知覚情報が少数次元数で表現され、少ないリソースで情報処理できるためと予想されるが、これだけではその学習能力を説明するには不十分である。すなわち、どのようにして限られた容量以内で新しい記憶を獲得し続けるのかに関心がある。生きるために、必要な事柄だけを取捨選択して記憶する工夫が行われているとしか考えられない。そこで一般回帰ニューラルネットワークを使った容量制限下での学習法を提案した。この手法は新しい知識を1つの動径基底関数と関連するパラメータで記憶する。容量制限下ではこの基底関数の数に上限がある。この数が上限に達すると、今後最も不要とみなされる基底関数を取り除いて(積極的忘却)、新しい基底関数と入れ替える。ここで重要なことは過去の記憶の積極的忘却と新しい知識の獲得とのバランスを保つことである。そのため、「今後最も不要となる記憶がどれなのか?」をカーネル法と呼ばれる理論を用いて評価することで、その記憶の置き換えによって今後生ずる損失を見積もる手法を開発した。これを用いて「重みつき射影法」を開発し、他手法を凌駕することを示した。またOSのページ置き換えアルゴリズムLRFUの導入を行うと環境変化に強くなることも示した。ここで開発した学習アルゴリズムを木探索法使って高速化する手法を開発し、太陽電池の発電効率を高めるコンバータに組み込んだ。具体的には日射強度、太陽電池表面温度と太陽電池が最も高い発電電力を生み出す出力電圧(最大電力点)との関係を学習し、日射強度の急変に対して試行錯誤的な最大電力点の探索をせずに電源回路を高速制御する。また電源回路のモデル制御への応用も試みた。
すべて 2015 2014
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 4件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (4件)
Proceedings of International Joint Conference on Neural Networks 2015
巻: 未定 ページ: 未定
Journal of Advanced Computational Inteligence and Intelligent Informatics
巻: 18 ページ: 682--696
Neural Information Processing 21st International Conference, ICONIP 2014 Kuching, Malaysia, November 3-6, 2014 Proceedings, Part I
巻: I ページ: 295--303
10.1007/978-3-319-12637-1_37
Proceedings of SCIS&ISIS 2014
巻: なし ページ: 415--420
978-1-4799-5955-6/14/$31.00
ARENA
巻: 17 ページ: 163--167