研究課題/領域番号 |
24500185
|
研究機関 | 南山大学 |
研究代表者 |
河野 浩之 南山大学, 理工学部, 教授 (70224813)
|
研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
|
キーワード | データマイニング / プライバシー保護 |
研究実績の概要 |
平成26年度は,初年度ならびに平成25年度に実施した関連研究の調査結果に基づいて,ロケーションサービスの観点から技術的課題を整理し,プライバシー保護に関係するデータマイニングのサーベイを継続した.特に,空間データに対するプライバシー保護処理を行うアルゴリズムの検討を進めるために,関連研究が発表される学会・研究会のProceedingなどを入手し,プライバシー保護に関連するデータマイニングの研究動向の調査を行った. また,プライバシー保護を行う条件下で位置情報をキーとする行動履歴解析を行うデータマイニングのアルゴリズムの課題を明らかにした.研究成果は,2014年7月にBarcelonaで開催された国際会議IFORS2014において,"Advanced traffic monitoring system by probe vehicles under privacy preservation"として報告した. さらに,プライバシー保護データマイニングアルゴリズムに関する研究動向調査を実施すると共に,研究室において研究指導を行う学生を中心に,プライバシー保護アルゴリズムの実装をHomomorphic encryptionを用いて行い,クラウド環境下における性能特性の検討をすすめている.しかしながら,実験環境構築に関して多少の遅れが生じていることから,平成27年度に,実験環境構築に関する課題等を残すこととなった.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究計画における「研究の目的」は3点からなる.以下,自己点検評価を記す. 1.データマイニングアルゴリズム…本研究で用いる具体的な対象データとして,プローブカーデータの提供を受け,位置データとして利用することは順調である. 2.実験環境…研究計画に沿って実験環境の構築を行ったが,予算執行を含めて生じてきたこれまでの遅れは取り戻せず,やや遅れることとなった. 3.性能評価…擬似データを用いたプライバシー保護データマイニングアルゴリズムの実装を行った.今後,プライバシー保護下で動作させるアルゴリズムの実行時間など課題解決の必要があることが明らかになっている.
|
今後の研究の推進方策 |
昨年度と同様であるが,研究計画に従い,交通データウェアハウスから提供を受けたデータに対してデータ解析を進めると共に,時空間データを含む行動履歴を分析するストリームマイニングアルゴリズムを中心に,プライバシー保護データマイニングの研究を進める . また,2014年度に遅れを生じたデータベースサーバの実験環境の構築を,改めて進めると共に,2015年度計画を順調に進めたい.
|
次年度使用額が生じた理由 |
2013年度のデータベースサーバー実験環境構築の計画が遅れ,データベースサーバーは2013年度後半の導入となった.2014年度にシステム構築を行ったが,小規模な実験にとどまった.よって,2015年度に,より適切な規模の実験を実施するために,バックアップを含むデータ処理装置の増設を行う必要が生じた.
|
次年度使用額の使用計画 |
データ処理部の増強,ならびに,バックアップを含むデータ処理装置の増設を,2015年度前半の早い時期に進める予定である.
|