研究課題/領域番号 |
24500190
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研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
宮本 正喜 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (50200209)
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研究分担者 |
平松 治彦 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (40304125)
仲野 俊成 関西医科大学, 医学部, 准教授 (60237344)
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キーワード | オントロジ- / 内視鏡学習システム / eラ-ニング |
研究概要 |
H25年度はオントロジ-を使った上部内視鏡学習システム(本システム)を、医学部学生に使用して貰い、機能、操作性についてアンケ-トによる調査を行った。 対象と方法:医学部学生(5回生)11名、本システムを使い内視鏡画像の診断を行って貰った。約30例以上の症例画像に対し、部位、所見、診断を答えていただき学習システムとして機能、操作性、満足度について評価してもらった。 結果と考察:11名に実証実験を行って貰ったが、有効回答数は6名と少数であった。 上部消化管内視鏡の画像診断について、約7割が勉強したことはあるが、画像診断スキルを今後習得するためには、臨床実習が最も効果が上がるとしているものが全てであった。 本システムの学習効果については、半数が効果を認めた。ふだん触れることの少ない症例画像に、書籍よりもクリアな状態で、数多く見ることができる点に評価が高かった。ただし、学生に提示した問題は、難易度について調整しておらず、難易度が高いと感じた学生が約7割いた。研修医になれば使いたいという者を含め、本システムの継続利用を半数の学生が希望した。彼らの希望する科は「内科系」「消化器内科、乳腺外科」「血液内科」だったが、当然、将来必要性を感じる者の学習意欲が高く、将来の進路が大きく影響していると考えられた。本システムの利用において「基本部位」の解答を予め表示して利用した者が約8割と多くいた。解答欄に入れる選択肢を示すナビゲーション機能も大半が利用していた。内視鏡画像診断の初学者にとって、どちらも有用な機能であると考えられる。 本システム操作性については、昨年実施したユーザ評価の結果と同様に、大きな問題はなかったが、修飾語の入れ方が分からない学生が半数いた。また、サムネイルで複数の画像表示した際に、メイン画像がサムネイルで隠れてしまう場合があり、こうした表示部分について、今後検討していきたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
対象は少なかったものの、本システムの使い勝手を学生から評価してもらい、それなりの結果が得られた。ただもう少し学生を集めることができれば良かったが、まだ、臨床の場で内視鏡画像を十分扱っていない学生にとって、必要度をあまり感じず、また難易度的にも難しく調査に応じるものが少なかったといえる。国家試験に出る消化器内視鏡の画像に関心があり、臨床検査デ-タと画像の組み合わせや、ERCPなど特殊な内視鏡を使った画像に興味があるとも考えられた。
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今後の研究の推進方策 |
H26年度は研修医や実際の内視鏡医に使用して貰い、機能、操作性について評価をお願いする予定である。 学生から研修医、また内視鏡医として活動しようとしている医師に役立てるために評価と改善を加えていきたい。 そのために、問題点の抽出、改善のポイント等の分析を進めていく予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度の実証実験において有効対象者が少なく、謝金が十分活用できなかったことによる。 H26年度の実証実験の対象者を増やすことで対応する予定である。
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