今年度は、本来の課題実施期間である平成26年度までに実施できなかった実状況の多視点映像撮影実験を行い、その映像群の処理による手法の有効性の確認と、国内学会(研究会)での成果発表に注力して研究を行った。 撮影実験については、複数の人物の屋内での移動状況、およびボールなどを利用した人物間のインタラクションを主な被写体状況として設定し、直径10mの円周上に配置した16台のAndorid携帯端末群を操作して、多視点同時撮影映像群を獲得した。状況としては、単一の自分物の移動、複数の人物の移動、パス回しのようなボールのインタラクションに加え、シーン中央に設置した間仕切りボードによる遮蔽が発生する状況を構築して、複数シーンの多視点撮影を行った。さらに、撮影の一部は、端末装置を手持ち操作で撮影する方法で行い、現実の状況にできるだけ近い設定での撮影データ獲得を実現した。撮影実験に際しては、被写体となる人物状況への協力者を募り謝金を支払った。また、得られた多視点映像の整理と処理のための協力者を募り謝金を支払って作業に従事してもらった。結果として、多様なシーン状況の映像獲得を実施した。 さらに、これまでの撮影済の映像群と今回の撮影実験の映像群に対して、開発してきたカメラワーク処理を施してその有効性を検証した。結果としては、視点切り替えを伴うカメラワーク映像化に成功し、また、時間軸の制御を伴う多様なカメラワークの生成が可能であることを確認できた。 最終的には、得られた結果を踏まえながら、電子情報通信学会のスマートインフォメディアシステム研究会において、キーフレーム制御に基づくカメラワーク生成手法について、本課題の研究成果として発表した。
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