研究課題/領域番号 |
24500205
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 和歌山大学 |
研究代表者 |
呉 海元 和歌山大学, システム工学部, 教授 (70283695)
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研究分担者 |
陳 謙 和歌山大学, システム工学部, 准教授 (70263233)
瀧 寛和 和歌山大学, システム工学部, 教授 (10304180)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 動物体追跡 / 能動カメラ制御 / 高品質の画像撮影技術 / 事例ベース / ぶれ程度の推定 / ぶれ方向の推定 |
研究概要 |
1)RGB-D画像からビデオレート(30fps)で顔・髪の自動検出・追跡方法について、初期あるいは追跡失敗した時、ほぼ正面の顔を自動的に検出し、検出された顔・髪領域とその周辺の背景領域の色と距離を表現するクラスタ中心を自動的に選択・更新し、頭部・顔・髪の追跡を行える方法を提案し、システムを構築している。この研究成果は査読付国際会議(CCTW13)に口頭で発表し、ACCV12でデモを行った。提案システムは人種、年齢、髪型、髪色と関係なく、安定に追跡できている。オープンキャンパスやオープンラボなどの行事を行う際にデモも行った。 2) 事例に基づいた顔画像のぶれ程度とぶれ方向の推定について、汎用性の高い運動ぶれ推定方法を開発するため,厳密な数学モデルを使うのではなく,ぶれ程度と方向が既知である顔画像データベースを構築し、用いることによって、複数のふれを表現する有効な特徴を検討した。そのうちにフーリエ変換の振幅を重みとした周波数ヒストグラムと位相ヒストグラムでぶれ特徴を表現する方法を提案し、用いることによって、ぶれ程度とぶれ方向を推定できる回帰関数を構築した.この研究成果は国内会議(MIRU12)で発表し、企業との共同研究を結ぶことが来出た。 3) その他、移動物体を追従撮影した映像の鮮鋭化(IPSJSIG-CG13)、近赤外線画像からの夜間歩行者検出と姿勢推定(IWAIT13)、可変扇形分離度フィルタを用いた瞳追跡(MIRU12、、CVIM12-5卒論セッション)、Tracklet Descriptorsによる生活動作の自動学習と認識(MIRU12)、ツービューからの顔画像からの3D モデルの自動化、FREAKを用いた人物の認識、拡張RCAを用いたカーネルvisual word生成法と一般物体認識への応用などの研究も行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初、「初年度は、画像解析による外乱検知機能(機能(1)と呼ぶ)を中心とする研究を行う。機能(1)では、厳密な数学モデルや式を使わず、事例(ぶれ画像データベース)に基づいて、汎用的な画質(ぶれの度合と方向)評価方法を開発する。具体的に、(a)ぶれ画像データベースの構築、(b)ぶれを表現できる特徴群の検討、(c)ぶれの領域を分割できるアルゴリズムの開発、(d)ぶれの度合と方向を検出・評価できるアルゴリズムの開発、について順次遂行していく予定である。」と記述している。 事例に基づいた顔画像のぶれ程度とぶれ方向の推定について、途中の研究成果をMIRU12で発表し、大手企業からの注目を得られ、共同研究を結ぶことができた。企業との共同研究によって、ぶれ程度とぶれ方向が既知である大規模なぶれ顔画像データベースを構築でき、ぶれを表現できる特徴群の検討を進み、ぶれの度合と方向を精度よく推定・評価できるアルゴリズムを提案できた。提案アルゴリズムを用いたデモシステムを共同で構築し、企業内のデモも成功している。 能動カメラの制御について、より安定な顔・髪の自動検出・追跡を行うために、最近よく利用されているKinectセンサを導入することによって、色と距離情報を高速に獲得でき、前回の基盤研究(C)の研究期間内に提案している拡張K-means trackerというアルゴリズムをビデオレートで安定に動作できるようになっている。今回、構築されたシステムは国際会議(ACCV12)でデモを行い、査読付国際会議(CCTW13)に口頭で発表し、それぞれよい評判を得られた。現在、ジャーナルに投稿中である。
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今後の研究の推進方策 |
新たにケプストラムをぶれ特徴として導入し、顔だけではなく、事例に基づいた画像のぶれ程度とぶれ方向の推定に関する基礎研究を継続的に行う予定である。また、推定された結果に基づいて、リンギングを抑制する画像の高速復元と、もともと予定している追跡対象のぶれの度合と方向に合わせたフィードフォワード(feed-forward;FF)制御の検討を行う予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
残額が生じた理由:当初予定した高感度カメラは生産中止になった。その後継機種のカメラの発売待ちのため。 新しい予算は予定通りの: 1) 新しい能動追従型カメラシステムを構築する費用(カメラ、パン・チルト雲台、プレート、三脚、制御用高速PCなど) 2) システム構築のための研究協力費 3) 国際・国内の論文誌と会議での論文発表、実機デモなどによって社会・国民に発信する費用
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