研究課題/領域番号 |
24500205
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研究機関 | 和歌山大学 |
研究代表者 |
呉 海元 和歌山大学, システム工学部, 教授 (70283695)
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研究分担者 |
陳 謙 和歌山大学, システム工学部, 准教授 (70263233)
瀧 寛和 和歌山大学, システム工学部, 教授 (10304180)
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キーワード | 動物体追跡 / 能動カメラ制御 / 高品質の画像撮影技術 / 事例ベース / ぶれ程度の推定 / ぶれ方向の推定 |
研究概要 |
1.RGB-D画像からビデオレートで顔・髪の自動検出・追跡方法について、初期あるいは追跡失敗した時、ほぼ正面の顔を自動的に検出し、検出された顔・髪領域とその周辺の背景領域の色と距離を表現するクラスタ中心を自動的に選択・更新し、頭部・顔・髪の追跡を行える方法を提案し、システムを構築している。提案システムは人種、年齢、髪型、髪色と関係なく安定に追跡できている。国際会議やオープンキャンパス、オープンラボ、産学連携などの行事を行う際にデモも行った。この研究成果はシステム制御情報学会論文誌とJCC で発表した。 2.事例に基づいた顔画像のぶれ程度とぶれ方向の推定について、汎用性の高い運動ぶれ推定方法を開発するため,ぶれ程度と方向が既知である顔画像データベースを構築し、用いることによって、複数のふれを表現する有効な特徴を更に検討した。勾配heavy-tailed分布の比を新しくぼけを表現できる特徴として追加定義した.得られたぼけ特徴量を用いて,線形判別分析およびk近傍法,nearest meanによる識別を行い,入力画像内のぼけ領域を推定した.その後,局所自己相関数を用いてぼけ種類の推定を行った.識別結果の可視化を行った. 更に、ケプストラム解析に基づいて、移動平均フィルタと最長経路探索を用いることによって、非線形な運動による劣化画像1枚から,Point Spread Functionを推定する手法を提案している.シミュレーション実験・実画像実験において提案する手法の有効性を示している.この研究成果はCVIM研究会で発表し、学会誌への投稿推薦をもらった。 3.その他、可変扇形分離度フィルタを用いた瞳追跡(JPCS)、Affinity Propagationを用いた動作認識(SSII, JPCS)、Kinectによる3次元フローの高速推定(SSII, JPCS)などの研究も行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初、「次年度は、平成24年度から開始した機能(1)の基本研究を継続しながら、図2のような新しい能動追従型カメラシステムを製作し、検出された追跡対象のぶれの度合と方向に合わす修正ルール(機能(2) と呼ぶ)について研究を行う。機能(2)は外乱相殺のためのフィードフォワード(feed-forward;FF)制御の調整量を決定する部分となる。」と記述している。 事例に基づいた顔以外の画像のぶれ程度とぶれ方向、ぶれ領域の推定と、当初挑戦しようとするケプストラム解析に基づいたPSFの推定について、それぞれ順調に進展している。特にケプストラム解析に基づいたPSFの推定方の研究成果をCVIM2013で発表し、学会誌への投稿推薦をもらった。今後、今までと共同研究を行った大手企業の研究者と連名で国際会議とジャーナルに投稿する予定している。 能動カメラの制御について、より安定な顔・髪の自動検出・追跡を行うために、最近よく利用されているKinectセンサを導入することによって、色と距離情報を高速に獲得でき、前回の基盤研究(C)の研究期間内に提案している拡張K-means trackerというアルゴリズムをビデオレートで安定に動作できるようになっている。この研究成果は国内外のジャーナルに発表した。今回、構築されたシステムは国際会議(ACCV12)でデモを行い、査読付国際会議(CCTW13)に口頭で発表し、それぞれよい評判を得られた。現在、ジャーナルに投稿中である。 しかし、能動カメラに対するフィードフォワード制御は理論上に実現できるが、今後、実用化するために、事例ベース法の誤差問題とケプストラム解析法の処理時間問題を解決する必要がある。
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今後の研究の推進方策 |
引継ぎ、ケプストラム解析を用いたPSF推定原理を解明しながら、事例に基づいた自然画像のぶれ程度とぶれ方向の推定に関する基礎研究を継続的に行う予定である。また、推定された結果に基づいて、リンギングを抑制する画像の高速復元と、予定している追跡対象のぶれの度合と方向に合わせたフィードフォワード(feed-forward;FF)制御の実用化を検討する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
事例に基づいた顔以外の画像のぶれ程度とぶれ方向、ぶれ領域の推定と、当初挑戦しようとするケプストラム解析に基づいたPSFの推定に関する研究に精力を入れていたので、能動カメラの制御法について理論的な研究を止め、実装の方はやや遅れたからである。 今年度実機システムを構成する。
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