研究実績の概要 |
3次元コンピュータグラフィックスでは、3次元物体モデルの質感を表現するために、2次元テクスチャが利用されることがある。これらの2次元テクスチャ画像を有効的に活用するためにはデータベースが必須であり、データベース化された大量の2次元テクスチャ画像を検索することは非常に重要である。本研究では、HLAC(Higher Order Local Autocorrelation Features; 高次局所自己相関特徴)を利用した2次元テクスチャ画像検索の手法について研究を行った。HLACは2次元画像の重要な画像特徴として、1980年代から様々な画像解析、パターン認識、コンピュータビジョン等のアプリケーションに利用されてきた。本研究では、HLAC特徴の抽出に使われるマスクを拡張し、大量のマスクを生成するプログラムを作成した。そして、これらのマスクを用いてテクスチャ分類の実験を行った。通常のHLACで使われるマスクの3×3領域を5×5領域に拡張した。そして、5×5領域によって作成できるマスクを列挙するとともに、そのマスク数を調べた。5×5領域のマスクの場合は、その数が爆発的に増加するため、コンピュータプログラムによるマスクの自動生成が必須となる。プログラムでは、まず5×5領域によって作成されるマスクの組み合わせ(16,777,216個)を計算し、平行移動によって同値となるマスクを削除していくことでマスクの生成を行った。簡易実験では、テクスチャの種類によって、従来のHLAC特徴よりも本研究の拡張型HLAC特徴を用いた画像分類の精度が高くなる場合があることがわかった。また、作成したプログラムを応用することで3x3x3の3次元マスクも作成し、ボリュームデータ(3次元テクスチャ)からの特徴抽出実験も行った。
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