研究課題/領域番号 |
24500212
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
福田 宏 北里大学, 一般教育部, 准教授 (70238484)
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研究分担者 |
野城 真理 北里大学, 医療衛生学部, 名誉教授 (80014231) [辞退]
石川 均 北里大学, 医療衛生学部, 教授 (80265701)
浅川 賢 北里大学, 医療衛生学部, 助教 (60582749)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | Color Vision / Computer Vision / Dichromats / Simulation / Confusion Color |
研究実績の概要 |
平成26年度は,ディスプレィの全色域で発色が可能な2色覚シミュレータについての論文原稿に関する,延べ16名の査読者からの意見に基いて,追加実験をおこない,論文と研究を完成させた。論文は平成27年5月にIPSJ Transactions on Computer Vision and Applicationsに掲載される予定である。 従来,2色覚者の色の見えを,正常3色覚者に示す色覚シミュレーションは,片目だけが2色覚の「片目2色覚者」の色の見え方に関するデータと,錐体から脳に至る色情報処理モデルに基づいて行われてきた。しかし,色覚シミュレーションでは,ディスプレィで発色できるがシミュレーションできない色が生じてしまう。我々は,色覚シミュレーションを数学的に分析し,ディスプレィの全色域で発色可能なシミュレーションが行える「混同色シミュレーション」アルゴリズムを提案した。 混同色シミュレーションは,要求条件を重要な順にならべ,その条件を満たすように行う。第一の条件は「混同色の条件」である。これは,全ての色に対して,それを置換する混同色を決める条件である。第二の条件は「明るさの比例則」である。これは,同じ色が違う色にシミュレーションされないための条件である。この2条件は外すことのできない従来の色覚シミュレーションと共通の条件である。「混同色シミュレーション」ではこれに色覚メカニズムに限定せずに様々な条件を導入することが可能である。 我々は,「ディスプレィの全色域でシミュレーション可能」という条件を追加すると,LMS色空間でディスプレィの色域の混同色軸に垂直な平面への射影が六角形であれば(殆どディスプレィでこの条件は満たされる),シミュレーションアルゴリズムがユニークに決まる事を発見した。そして,そのシミュレーションが実際の写真画像などに対して有効であることを示した。
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