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2014 年度 実績報告書

スピーチプライバシー保護の研究

研究課題

研究課題/領域番号 24500226
研究機関龍谷大学

研究代表者

片岡 章俊  龍谷大学, 理工学部, 教授 (20528682)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード多点制御法 / スピーチプライバシー / マスキング / 信号分解法 / スピーカアレー / 環境音
研究実績の概要

本研究の目的は、複数のスピーカから発せられる音が特定の方向のみで受聴でき、それ以外の方向では音の内容が聞きとり難い音の再生方式を実現することにより音のプライバシーを保護することである。
所望の方向では音声をきれいに受聴でき、目的方向外の位置では音量が小さく、音声が変形してその内容が聞き取れない再生方法を実現するため、これまで、目的信号(音声)を複数のサブ信号の和で表現し、目的信号に比べてそれぞれのサブ信号が聞き取り難くなる信号分解法を提案、その効果を確認した。次に目的外エリアにおける目的信号の完全な抑制は困難であるため、目的外エリアに漏れる目的信号を環境音でマスキングする方法について検討した。
今年度は、環境音の品質改善を目的とした多点制御構成法および、これまでに検討した多点制御法、信号分解法及び環境音による統合方式について検討した。目的方法外エリアにおける目的信号の漏えいを環境音によるマスキングによって、その内容が聞き取れないようにする方法は有益であるが、多点制御法によってその再生方向を制御しているため、再生時の周波数特性が変化し、環境音の音色が変化してしまう。そのため環境音を再生するフィルタ構成を検討し、2つのフィルタ群を用いて異なる再生方向に環境音を再生することで、目的方向への環境音の漏えいは少なく、それぞれの方向に対する周波数特性を改善して環境音の自然な再生を実現する方法を考案した。また、信号分解法と環境音を組み合わせることにより、目的方向外ではより会話の内容が聴き取り難くスピーチプライバシーの保護には非常に有効であることを確認した。しかし、信号分解法は目的方向外における音声の明瞭度を低下させるが、音圧のレベルは上昇する。環境音も周囲の騒音レベルを上昇させるため、周囲の音環境としては必ずしも望ましくない。今後、目的方向外の音圧レベルを低下させる検討がさらに必要である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2015 2014

すべて 学会発表 (6件)

  • [学会発表] 多点制御法における信号分解法とマスキング手法を用いた目的方向外での秘匿性向上2015

    • 著者名/発表者名
      安枝和哉,片岡章俊
    • 学会等名
      日本音響学会春季研究発表会
    • 発表場所
      中央大学 後楽園キャンパス
    • 年月日
      2015-03-16
  • [学会発表] 直線スピーカアレーを用いた多点制御法による複数エリア再生の検討2014

    • 著者名/発表者名
      安枝 和哉
    • 学会等名
      第40回 関西合同音声ゼミ
    • 発表場所
      大阪工業大学 枚方キャンパス
    • 年月日
      2014-12-20
  • [学会発表] エリア再生における信号分解法とマスキング手法を用いたエリア外での秘匿性向上の検討2014

    • 著者名/発表者名
      安枝 和哉,片岡 章俊
    • 学会等名
      第17回 日本音響学会 関西支部 若手研究者交流研究発表会
    • 発表場所
      関西大学
    • 年月日
      2014-12-14
  • [学会発表] 多点制御法を用いた環境音による目的方向外音声のマスキング手法に関する検討2014

    • 著者名/発表者名
      安枝 和哉, 片岡 章俊
    • 学会等名
      電子情報通信学会技術研究報告 信学技報
    • 発表場所
      金沢大学
    • 年月日
      2014-12-12
  • [学会発表] 多点制御された環境音における方向別の再生品質に関する検討2014

    • 著者名/発表者名
      安枝和哉,冠野美利,片岡章俊
    • 学会等名
      日本音響学会秋季研究発会
    • 発表場所
      北海学園大学 豊平キャンパス
    • 年月日
      2014-09-04
  • [学会発表] 直線スピーカアレイを用いた多点制御法における各方向に対する再生品質の変化2014

    • 著者名/発表者名
      安枝 和哉
    • 学会等名
      第39回 関西合同音声ゼミ
    • 発表場所
      立命館大学 琵琶湖草津キャンパス
    • 年月日
      2014-07-12

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公開日: 2016-06-01  

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