画像の局所特徴量から得られるBag of Visual Wordsモデルに関して、最終的に分類に用いる特徴となるVisual Wordsの共起性をほぼ限界まで拡大した、画像の部分集合の族を求める確率的アルゴリズムを計算機上に画像分類システムとして実装し、実験、評価を行った。実験データとしては、画像認識研究用の画像セットであるCaltech256およびVOC2006を用いた。特に最終年度に実施した研究の成果は以下の通りである。画像セットから抽出したVisual Wordsが正しく識別能力を保有し、かつ、一部のVisual Wordsのみが分類に貢献していることを確認するため、一般的な教師付き学習手法に加え、著者らが提案している特徴選択を組み込んだヒストグラムに基づく識別機でも実験を行った。また、教師無しでもユーザーの感性と近い一致を示す分類が可能であることを確認した。それらの成果について釧路高専紀要に掲載し、国際会議ICPR2014のワークショップFEAST2014にて発表を行った。また、本課題の展開を目的として、チェコの博士と連絡・議論し、テクスチャー解析に用いるBTF特徴の利用による画像分割への応用の可能性を検討した。その他の本課題の展開先として強化学習への応用も模索し、本課題で画像分類に用いたアルゴリズムを試験的に環境識別機として組み込んだ強化学習の手法も試み、その結果を国際会議KES2014にて発表した。その他、フィンランドの進化計算を専門とする博士と、本課題の画像分類アルゴリズム中で用いている最適化処理の部分に関して議論を行い、この後の展開となり得るアイデアとして、分類精度の評価関数を分割・切替することによるより本課題に適した最適化手法の検討を行った。
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