研究課題/領域番号 |
24500231
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 久留米工業高等専門学校 |
研究代表者 |
黒木 祥光 久留米工業高等専門学校, 制御情報工学科, 准教授 (60290847)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 画像符号化 / スパース表現 / GPGPU |
研究概要 |
平成24年度は最新の動画像符号化であるHEVC(High Efficiency Video Coding)のLIC(Local Intensity Compensation)にスパース表現を適用し,予測精度の向上を確認した.得られた成果は2つの国際会議,SISA2012とICPR2012,にて報告した.電子情報通信学学会の英語論文誌にもレターを投稿しており,条件付採録の判定を得ている.提案した手法は2乗誤差を最小化する全探索の動き補償に比べ,高精度化に加え,高速化も実現している.また,多視点画像間における基礎行列を高精度に推定する方法を提案し,SISA2012とISTS2012で報告している.基礎行列は多視点画像における同一物体の画面座標の対応関係を表すため,これにより,LICの高速化も期待される.何れの方法も精度の向上に加え,高速化を実現しており,多視点動画像画像の実時間符号化に向けて大きく寄与できる成果だと考えている. 平成24年度に提案した各種の方法はGPU(Graphical Processing Unit)やOpenMPは用いておらず,理論的な考察を基本にしている.つまり,計算の並列化による高速化については検討していない.当初の計画では平成24年度はOpenMPやSiftGPU(Shift: Scale-Invariant Feature Transform)など,比較的実装が容易な既存の並列化を実施する予定であったが,平成25年度に最新のアーキテクチャのGPUを購入する予定であるため,並列化については次年度まで保留することにした.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
並列演算について着手していないが,スパース表現を用いた多視点動画像の実時間符号化に向けて各種高速化の方法を提案し,高精度化も実現することができた.得られた成果は国際会議の論文4本の他,条件付採録の学会誌論文を含むため,順調と考えている.ただし,【研究実績の概要】に示した通り,並列処理の実装はまだ行っていない.これは新アーキテクチャであるGPUの販売時期と研究実施計画との差が理由だと考えているが,平成25年度に新たなGPUを購入するため,研究の進展を加速化したいと考えている.
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度は並列処理用のワークステーションを購入し,実時間処理の実現に向けた研究を行う.また,これと並行して,理論面でもスパース表現を用いた動き予測の高精度化や多視点画像の処理についても研究を推進したい.平成24年度に得られた成果は既に国際会議VCIP2013やAPSIPA2013で発表するべく準備中であり,学会にもできるだけ投稿するべく積極的に活動したい.平成25年度は特にソフトウェア開発が研究の中心となるため,専攻科の学生の協力を仰ぐ予定である.
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次年度の研究費の使用計画 |
平成26年度は過去の成果をまとめ上げ,更なる高速化と高精度化を実現する予定である.従って,新たな機器を購入する予定はなく,研究補助による謝金を少々必要とするほかは,成果発表のための旅費や参加費を中心に研究費を使用する予定である.
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