研究課題/領域番号 |
24500243
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 東京電機大学 |
研究代表者 |
矢島 敬士 東京電機大学, 未来科学部, 教授 (10385487)
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研究分担者 |
黒沢 学 東京電機大学, 未来科学部, 准教授 (50328514)
澤本 潤 岩手県立大学, ソフトウェア情報学部, 教授 (50438082)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 遠隔コンサルテーション / エージェント / 集合知 / あらすじ / ライフログ / 見守り |
研究概要 |
1)遠隔コンサルテーション・システムの開発 (1)複数の相談者と複数の専門家間におけるコンサルテーション・システムを開発した。その特徴は、複数の相談者がワンストップで、必要な専門家に接続して相談を開始出来ること、専門家エージェントの導入により、専門家の負担が軽減しより多くの相談者との相談が同時に可能となった点にある。システムの有効性を下記例で検証した。「自動車保険加入」を事例として、専門家4名、相談者60名を用いて、遠隔コンサルテーション・システムとチャットシステムの比較を行った。その結果、提案システムが相談時間などの主要指標において有効であることを確認した。(2)集合知システムの検討:基礎的なサーベイとして、エンジニアリング面からの集合知と心理学面かたの集合知の違いを明らかにした。(3)介護関係テーマの探索:介護関係者へのヒアリングを実施した。その中で、介護福祉における課題を分析した。現時点では、遠隔コンサルテーションの有効な適用範囲はまだ確定していないが、コンサルテーション内容を体系化する「あらすじ」システムの適用の可能性はあると考え、システム構築を行い、模擬データでその有効性を検証し、成果を国際会議論文として発表した。 2)ライフログに関する研究 ライフログを活用した生活リズムの推定方式として、Android 家電の利用を想定したライフログの取得・分析手法を提案した。具体的には、Android 家電の使用状況に関するライフログデータに基づき、対象高齢者の生活パターンを明確にし、そのパターンから大きく外れる状況が発生した場合、本人に通知すると同時に、見守り者(家族など)に通知が送られるシステムを開発した。ケースについて、予備的な実証実験を行い、その有効性を確認し、成果を国際会議論文として発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
基本的な遠隔コンサルテーション機能に関しては、予備実験及び複数の専門家を用いた本実験で有効性を検証した。 輻輳した相談を切り分ける機能に関しては、基本システムを開発した。また、円滑なコンサルテーション実現のため、相談履歴の体系化、可視化を行い、過去の相談履歴から、現在の相談に近い相談例を探す「相談あらすじ」機能を開発し、その効果を検証した。ライフログの活用に関しても、高齢者向けのセンサーを開発し、これを用いて対象者のログを収集し、分析する機能を開発して有効性を確認した。
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今後の研究の推進方策 |
1)これまでに行った実験結果の分析を更に行い、現状のエージェント機能の追加を行う。特に、事例DB強化、問題分割の精度向上を図る。同時に、これらの成果を、ショートペーパー、ショートレター、査読付国内学会 等に投稿する。 2)輻輳した問題に関する専門家間での情報共有と議論による課題・矛盾を抽出する機能の開発を行う。(専門家が個別に作成した回答をつき合わせて、課題、矛盾がないか、を確認する。基本的には、グループウエアを用いて開発する。) 3)高齢者の特性調査に基づいて、特性にあったセンサーの選択を行う。同時に、センサーから得られるライフログの新たな取得方式と取得ログの分析機能の開発を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
1)遠隔コンサルテーション基本機能の強化を行う。具体的には、事例DBへの事例入力を、アルバイトを用いて行う。(入力作業費) 2)ライフログ取得のためのセンサー開発を行う。(開発費) 3)ライフログデータ解析技術に関する調査、検討を行う。(調査費)
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