研究課題
サンゴ礁などを対象とした,沿岸エリアの海洋環境における生態系の保全や,水難事故等の情報支援を目的として,無線センサネットワーク(Wireless Sensor Network: WSN)技術を利用した,水中に展開可能なセンサノード(Sensor Node: SN)群による海洋環境情報収集支援システム(水中観測WSN)を開発している.本研究では,サンゴ礁環境における生態系観測において,カメラによる長時間の水中観測で問題となる藻類などの付着生物の除去,および,水深の深い暗所や夜間の撮影などの課題の解決を図る.これにより,水中観測WSNを,長時間継続して運用するための基礎技術の開発を目的とする.本年度は最終年度であり,前年度までにハードウエアおよびソフトウエアの構成および動作の安定性が向上したので,さらなる安定性の向上や長期観測へ対応するために,不具合の修正および小改良を行い,機能確認試験を行った.特に,前回実験で生じた水密性の問題に対し,水密容器の蓋設計を変更した.また,アルミ支柱を加えることにより剛性,密閉性,組み立て易さの向上,および,周辺機器の取り付けを行えるようにした.さらに,前年度末に行ったアクリル(SNの外装材)への藻類の付着状況調査結果を元に,付着生物除去を目的としたワイパ機構を作製した.本SNの実地機能試験を行い,サンゴ群体の標本画像および周辺水温の取得などを行った.また,ワイパ機構を間欠動作させ,水中で動作可能であることを確認した.
すべて 2014
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件、 謝辞記載あり 1件)
International Journal of Distributed Sensor Networks
巻: 2014 ページ: 1-10
10.1155/2014/189643