本研究は,社会性動物の生存にとり重要な他者との協調性(コミュニケーション)について,申請者らが発見した運動先行性を特徴とする人の感覚運動制御におけるプロアクティブ制御を鍵にして,コミュニケーションの実態を段階的に明らかにし,コミュニケーションの定量的研究の基盤を確立することを目的とする. 本年度の成果は,以下の通りである. 1. 手動運動モデルとして,あらかじめリミットサイクル項を解としてもつ非線形振動子ベースのモデルを構築し,コミュニケーションモデルの準備を行った. 2. 非線形振動子ベースモデルの相互結合モデルにより,2者間相互追跡運動において得られた運動速度相互相関特性を再現し,コミュニケーションメカニズムを考察した.
|