研究課題/領域番号 |
24500251
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研究機関 | 宇都宮大学 |
研究代表者 |
佐藤 美恵 宇都宮大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (00344903)
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研究分担者 |
阿山 みよし 宇都宮大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (30251078)
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キーワード | 感性情報処理 |
研究概要 |
本研究で提案する超階調表示が、どのような印象変化をもたらすかを調査することを目的とした。 まず、評価項目として、印象評価に用いる評価語29語を、関連研究などから収集した643語からKJ法により選定した。次に、実験試料として、屋内外で撮影した多種多様なハイダイナミックレンジ画像を用意した。そして、これらの画像を、328階調、256階調、192階調、128階調、64階調、32階調の6種類の階調で表示した。また、実験環境はITU-R BT.710を基に設定した。そして、これらの条件下にて、本研究で提案する超階調表示が、どのような印象変化をもたらすかを、主観評価実験により調査した。被験者は、20代男性13名、女性8名の計21名とし、「そう思う」から「そう思わない」までの5段階の評価尺度を用いて、表示画像に対して各評価語の当てはまり度合を回答してもらった。 その結果、実験試料の特徴と実験結果の関係より、表示画像のグラデーション領域が50%以上の画像においては、高階調であるほど画像の印象が向上する傾向が見られた。一方、グラデーション領域が50%未満の表示画像においては、本実験の輝度範囲において高階調化を知覚できない可能性が示された。また、「好ましさ」が「再現性」や総合評価とは異なる傾向を示していたため、高階調化により現実世界の見えに対する「再現性」や総合評価は向上しても、「好ましさ」は同様の傾向を示さないことが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
次年度に計画していた評価画像や評価項目の選定を優先したほうが、研究実施計画全体として効率的であることがわかった。そのため、それらを優先して行ったことにより、今年度の計画に遅れが生じたが、研究実施計画全体としては、おおむね順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
実環境において高臨場感を与えるために必要な超階調表示の要素を取り入れた、視覚感性に基づいた超階調表示の応答特性を提案する。そして、視覚感性に基づいた超階調表示が、従来のガンマ値2.2に従う超階調表示よりも高臨場感を実現できるかを、主観評価実験により調査する。さらに、臨場感をどの程度高められたかを統計的な数値で示し、その有効性を評価する。
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