今後の研究の推進方策 |
◆好ましさ、鮮鋭性の調査:いろいろなレベルのノイズを付加した写真について質感という観点からの好ましさ、および鮮鋭性を評価してもらう。付加するノイズの種類の影響についても評価実験を行う。評価法は正規化順位法による。 ◆感性効果の機構解明:「実物質感」、「記憶質感」のデータと比較検討することで、この感性効果のメカニズムを解明する。鮮鋭性向上効果については、先行研究において、パワースペクトルが感性解像度の限界程度の高周波領域まで大きく下がらない物についてのみ観られており(T. Kurihara, N. Aoki, H. Kobayashi, Journal of Imaging Science and Technology, 55, 030504(2011) 、パワースペクトルのデータを合わせて検討する。 ◆「実物質感」、「記憶質感」データベースの作成:24年度に確立された方法に従って、多くの物について表面粗さ、「実物質感」、「記憶質感」のデータベースを作成する。「記憶色」では世代(小林美智代,棟方明博,鈴木恒男,岩崎晶子,日本色彩学会誌,15,17(1991))、性別(M.Yamamoto, Y-H Lim, X.Wei, M.Inui, H.Kobayashi, Imaging Science Journal, 51,163(2003))、国・地域(上のYamamotoらの論文に同じ)などといったグループごとに違いが観られた。質感でもこのようなグループに分けてデータを収集する必要がある。 ◆「記憶質感」自動付加システムの構築:ここで作成したデータベースを活かし、被写体の「記憶質感」に基づき粒状度を自動的に調節する画像処理システムを構築する。
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