ストレス社会と呼ばれる現代社会において,精神的に孤独感や不安,不満を感じている人は多い.これらの感情を昇華できずに蓄積させてしまうと,やがてそれらは様々な問題として社会に表出し,深刻な場合には殺傷事件や自殺などにつながる.このような深刻な状況を回避・改善するためには,心の状態を回復する作用を持つ刺激(癒し)を生成し,社会や個人に必要な時に提供するシステムの実現が早急に求められていると考えられる.そのために本研究では来たるべく「癒し」の治療への本格的利用に備えるべく「癒し工学」のコンセプトの明確化と癒し刺激により変化する心理的プロセスを定量的測定する技術の確立を目指した。
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