研究課題/領域番号 |
24500257
|
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
田中 良治 広島大学, 大学病院, 助教 (50304431)
|
研究分担者 |
小川 哲次 広島大学, 大学病院, 教授 (50112206)
|
研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
|
キーワード | 人間感情学 / 歯科初診医療面接 / 順番移行規則 |
研究概要 |
平成24年度 I、Sack&Moerman (1971)が提唱している順番交替構造と相互理解に関して追求する必要があり、いかにして、人は相互に理解しあうのか。そこで、我々は、「順番移行規則」をキーワードとして歯科初診医療面接について研究を行った。そのポイントを示す。(1)スムーズな順番移行が、会話の典型的様相として観察できるか。(2)発話の可能終了点を予見できるか。(3)「質問」というものは、次の発話として答えを適切なものにしているか。以上の(1)~(3)の要点をOSCEの会話記録から探求していった。その結果、平成23年度の4月の時点でのOSCE会話記録から、検討した結果、歯科初診療医療面接における問診の必要事項が挙げられた。まず会話として聴取することは、「主訴・愁訴」である。「主訴・愁訴」からその「主訴・愁訴」の「既往歴」の順番移行は、規則的に行われているが、歯科初診面接では、その最も問題となる「痛み」のレベルまたは種類の聴取の仕方やイントネーションにより、受け手側に理解の違いがあると思われた。つまり、話し手側も、初めの「挨拶」や「話し初めの印象」により、「伝えたい、若しくは伝えなければならない。」といった感情を込めた話し方をするかしないかにによるものではないかと推測される。これは、今後の課題として、明らかにする必要があると思われた。一方で、「全身的既往歴」の聴取は、感情を伝えることのない一般的な事務的処理としての会話が成立していることが、見受けられた。II、歯科研修医のSPセッションおよびAdvanced OSCEの初診医療面接の会話をRIAS専用ソフトにて分析し、その結果をパターン化を行い、Sondell K.らの歯科補綴関連との相違点を検討し、医療面接における問題点を抽出する。この研究は、現在、Advanced OSCEの会話分析をデジタル化して、解析中である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成24年度計画のIIの歯科研修医のSPセッションおよびAdvanced OSCEの初診医療面接の会話をRIAS専用ソフトにて分析し、その結果をパターン化を行い、Sondell K.らの歯科補綴関連との相違点を検討し、医療面接における問題点を抽出する。この研究は、現在、Advanced OSCEの会話分析をデジタル化して、解析中である。DVテープからの文字起こしに時間がかかってしまう。現在は、デジタル化での撮影を行っているため、25年度からの研究には、問題ないと思われる。
|
今後の研究の推進方策 |
平成24年度の結果を参考にRIAS専用ソフトを用いて、Sondell Kが行ったRIAS-dental(for Prosthodontics)との相違点および歯科補綴関連以外にも模擬初診医療面接(急性期)、模擬初診医療面接(慢性期)を検討し、RIAS-dental(for Primary Care)やRIAS-dental(for General Dentistry)の応用開発研究を行っていく。
|
次年度の研究費の使用計画 |
現在、音声認識ソフト(AmiVoice SP2)、動画撮影機(オリンパス LM-20M、既存)、音声録音に関しては、ICレコーダー(ソニー ICD-UX523)を購入し、データをノートブック(Dell precition M6700)にて解析中である。次年度は、ノートブック(Dell LATITUDE E6700)、RIASソフトを購入予定し、学会等にて発表予定である。
|