最終年度の進捗 ドライバへの作動記憶の観点から,すべての自動車用表示装置を評価し直した.表示情報と前景情報の複雑化を仮定して,“視覚雑音”負荷実験により作動記憶の機能を分析した.また最終年度として今までの結果を総合してまとめ,自動車用AR表示装置を中心に視覚情報受容モデルと優位性,実用上の提言を行った.主たる外部講評論文・著述は発行した全体まとめにリスト化し代表著述を添付した. (1)参照情報と探索情報を照合する自動車用表示装置においては,参照情報を記憶しておく作動記憶が機能すると考えられる.視線移動負荷と砂嵐(チェッカードパターン)の視覚雑音の重畳実験にでは,すべての表示装置で後者の雑音の影響は少ないが,視線移動負荷は,AR表示装置以外は影響を受ける.AR表示装置では極めて複雑化した参照情報でのみ影響を受けることが分かった. (2)現実自動車では,作動記憶の下部組織であるSketchpadとinner scribeの後者のチャンネルでのみが存在することが考えるので,ここでもAR表示装置の優位性が示唆された. (3)以上の知見を学術論文5件(内査読あり3件)と研究会等の発表4件の発表を行った.(すべて掲載済)また最終年度として全体のまとめを120pagの印刷媒体として発行し関係する部署に配布した.
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