研究課題/領域番号 |
24500263
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研究機関 | 大阪工業大学 |
研究代表者 |
大須賀 美恵子 大阪工業大学, 工学部, 教授 (10351462)
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キーワード | 感性ロボティクス / 低負担計測 / 集中度 / 心拍 / 呼吸 |
研究概要 |
1.居間やオフィスの椅子にセンサを組み込んで,衣服を着用したままで,心拍・呼吸を計測する手法について,昨年度検討した方法を改良した.呼吸は背もたれのクッションに装着したエアバッグの圧力変化で,心電図はエアバッグ2つに張り付けた導電布を電極として容量結合型アンプで増幅して計測した.居間でテレビをみているときと,コンピュータを用いたデスクワーク中のデータを収集した.ともに計測可能であったが,デスクワーク時は被測定者の動きがより多く,ノイズの多い心電図から心拍情報を抽出するアルゴリズムの検討も行い,複数の手法を比較している.計測手法の決定のための評価データ収集が不十分であり,次年度に実施する.なお,計測システムの小型化,無線化も行った. 2.瞳孔径と視線停留,瞬目間隔分布の組み合わせで,集中度を推定する手法について,予備的な検討を行ったが,視環境の変化による指標値変化が大きく,難しいことがわかった.輻輳についてひきつづき検討している. 3.接触型のセンサを用いて昨年度計測したデータを用いて,集中しているか否かを判定するアルゴリズムの改良を行った.謝金雇用した8名の健常男子学生を対象に,風景映像やアニメ,スポーツ番組など集中度が異なると予想されるコンテンツを10分ごとに切り替えて視聴させ,5分ごとに直前の集中度と覚醒度を5点法で主観評定させた.前回同様に集中低下による生理指標の変化が確認され,主観評定結果を外的基準とし,選定した指標をとサポートベクタマシンを用いた判別で約7割の正答率を得た. なお,本研究に関わる実験は,大阪工業大学ライフサイセンス実験倫理委員会の審査を経て,大阪工業大学学長の承認を得て実施した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
集中度判定に用いる指標選定,アルゴリズム開発は計画どおりで,フィールドテスト用のシステム開発もほぼ目的を達成しているが,少数のテストを行ったのみで,これを用いた検証実験が今後の課題である.
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今後の研究の推進方策 |
本年度に開発したフィールドテスト用のシステムを用いて,データの蓄積を図り,人の状態推定,特に,集中度低下と覚醒度低下,いらいら状態を推定できるようにする.
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