研究課題/領域番号 |
24500266
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 流通科学大学 |
研究代表者 |
持田 信治 流通科学大学, 商学部, 教授 (40412374)
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研究分担者 |
磯貝 恭史 神戸大学, 海事科学研究科(研究院), 教授 (00109860)
野口 弘(野口博司) 流通科学大学, 商学部, 教授 (20330483)
稗方 和夫 東京大学, 新領域創成科学研究科, 准教授 (80396770)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 国際研究者交流 |
研究概要 |
本研究の目的はプロジェクトを効率的に遂行するための知識の発見と登録を行い、プロジェクト支援環境実現の一助とすることである。そこで平成24年度の目標は実行パフォーマンスの測定方法の確立に向けたデータ収集と分析を行った。具体的には知的成果物(図書、プログラム)の出来高についてデータ収集を行い、知的成果物の出来高を考慮したパフォーマンス測定方法の検討を行った。その結果、知的成果物も多く形成されている所では実行パフォーマンスも大きく変化しており、実行パフォーマンスが大きく変化する点には有効な知識が存在する可能性が示された。本結果についてはISME2012(International Society of Management Engineers於北九州)とConcurrent Engineering 2012 (於trier Germany)にて発表を行い、日本経営システム学会に投稿中である。 加えて平成24年度はシステム開発に於ける実行パフォーマンスを推定する式のパラメータの検討を行い、企業の協力を得て収集したデータについて分析を行った。その結果、工程上の開始時点でのパフォーマンスは期待値よりも低いことが判明した。そして作業開始時の実行パフォーマンスが低いことにより作業遅れとなることが明らかになった。そこで、作業開始時の実行パフォーマンスを上げる方法として着手日管理を提案した。着手日管理とは従来の作業開始日、作業終了日に作業着手日を追加してガントチャートで管理を行うことである。着手日に有効な知識をスタッフに提供することにより作業の実行パフォーマンスの向上が期待でき、プロジェクトの工期を短縮できる可能性が高まる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成24年度は企業の協力を得て実行パフォーマンスの測定方法の確立に向けたデータ収集と分析を行った。その結果、知的成果物が多く生成されている点では実行パフォーマンスも大きく変化しており、実行パフォーマンスが大きく変化する点には有効な知識が存在する可能性が示された。加えてガントチャート上の工程の開始時、終了時のパフォーマンスについて測定を行った。データについては企業の協力を得て収集を行った。その結果、工程上の開始時点でのパフォーマンスは期待値よりも低いことが判明した。そして作業開始時の実行パフォーマンスが低いことにより作業遅れとなることが明らかになった。以上の研究状況は計画通りであり、次年度以降ではパフォーマンス推定式の検証を計画している。そして有効な知識を登録する簡易登録機能を用いた知識登録と着手日での知識提示を計画している。 しかし現在、知識登録簡易機能の構築は仕様作成に留まっており、実際の開発には着手できていない、そこで次年度に知識登録簡易機能の構築を早急に進め、知識の登録試行を始める、そして次年度以降にパフォーマンス推定式の検証と登録された知識の有効性を検証する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
本研究の平成25年度の主目標はパフォーマンスの把握のために収集するべきパラメータの特定とパフォーマンス推定モデルを得ることである。具体的な目標は以下である。 (1)企業の協力を得て、引き続き実行パフォーマンスに関するデータ収集を進め、組織の実行パフォーマンスを把握するためのパラメータの特定とモデル構築方法の検討を行う。(2)知識簡易登録機能の構築を行い、次に実際にシステム開発環境の変化や作業員の状態と物の出来具合の変化点を検出する、そして変化点に於いて簡易知識登録機能を用いた知識登録試行を行う。 特に平成25年度はパフォーマンス把握のために収集するべきパラメータの特定と実行パフォーマンスの推定式の検証に注力する。 次に平成26年度は実行パフォーマンスを正確に測定するためのマイルスストーンの設定について検討を行う、実行パフォーマンスの算出は作業期間と成果物の測定が基本となるため作業期間の算出は重要である。しかし現状の作業期間の算出はガントチャート上の固定されたマイルストーンから算出しているため状況の変化には対応出来ない。そこで今後、自動的にマイルストーンを移動、設定して状況変化に対応した工程を算出することにより、正確な実行パフォーマンス算出手法を検討する計画である。
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次年度の研究費の使用計画 |
H25年度は引き続きデータ収集と分析を行い、知識簡易登録機能の構築を進める。担当名、費用計画と役割は以下の通りである。1.氏名 持田 信治 費用計画 1,990,000円 担当 研究とりまとめ、データ収集、知識簡易登録機能の構築 2.氏名 野口博司 費用計画 430,000円 担当 行程計測方法検討、データ収集支援、データ分析支 3.氏名 磯貝恭史 費用計画 160,000円 担当 行程進捗モデル評価、データ分析支援 4.氏名 稗方和夫 費用計画 480,000円 担当 パフォーマンス測定方法検討、データ収集支援、データ分析支援
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