研究課題/領域番号 |
24500266
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研究機関 | 流通科学大学 |
研究代表者 |
持田 信治 流通科学大学, 商学部, 教授 (40412374)
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研究分担者 |
磯貝 恭史 流通科学大学, 商学部, 教授 (00109860)
野口 弘 (野口 博司) 流通科学大学, 商学部, 教授 (20330483)
稗方 和夫 東京大学, 新領域創成科学研究科, 准教授 (80396770)
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キーワード | 国際研究者交流 |
研究概要 |
本研究の目的はプロジェクトを効率的に遂行するための知識の発見と獲得を行い、獲得された知識の再利用を可能とする環境構築のための調査研究を行うことである。業務遂行パフォーマンス向上には知識の有効利用が不可欠である。そこで平成24年度は情報システム構築プロジェクトに着目して、実行パフォーマンスのデータ収集と分析を行った。その結果、ドキュメントやプログラム等の成果物の出来高が増減する場合には有効な知識の獲得がなされている可能性が高いことが解かった。そして平成25年度は実際のシステム開発に於ける知的成果物(図書、プログラム)の出来高について更に情報収集を行い、知的成果物の出来高を予測するパフォーマンス測定方法の検討を行った。その結果、作業の実行パフォーマンスはS字を描いて立ち上がることが求められた。本結果についてはConcurrent Engineering 2013 (於Melbourne Australia)にて発表を行った。更にシステム開発に於ける実行パフォーマンスを予測式のパラメータ検討を進めた結果、作業のパフォーマンス向上には作業開始時の実行パフォーマンスの向上が必要であることが明確になった。加えて、平成25年度は先に提唱した着手日管理法について検討を加えた。着手日管理法は作業開始時実行パフォーマンスを上げるための1手法として提案するもので、従来の作業開始日、作業終了日に作業着手日を追加してガントチャートで管理を行う。着手日とは作業開始に向けて、情報収集や予備試験、予備検討を開始する日のことである。そして、着手日管理法を実行するためには現時点に於いて遂行中の作業と次の作業の予備作業を含めた作業の優先順位付けが必要であることが解かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成25年度は平成24年度の調査に加えて、システム開発に於ける知的成果物(図書、プログラム)の出来高について更に情報収集を行い、知的成果物の出来高予測するパフォーマンス測定方法の検討を行った。その結果、作業の実行パフォーマンスはS字を描いて立ちあがることが示された。そしてパフォーマンスの把握のためのパラメータの特定とモデルの検討を行い、現在は作業開始時の実行パフォーマンスを上げるためのキーパラメータの検討を進めている。加えて平成25年度はパフォーマンス測定精度向上のために成果物として獲得された知識を登録するために簡易な知識登録機能を構築した。そして平成26年度は知識を容易に収集するための記録機能の拡張を予定している。そしてH26年度はパフォーマンス予測のためのパラメータの検討を進めることと、現在遂行中の作業パフォーマンスと次の作業のパフォーマンスを最大にする作業の実行の優先順位付け方法に関する調査を行う。更に次年度は知識検索を行う感性データベース構築に必要な機能の調査を行う。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度の主目標はリアルタイムでのパフォーマンス測定とマイルストーンの自動設定の可能性を検討することである。平成26年度の具体的な目標は以下である。 (1) 企業の協力を得て、引き続き実行パフォーマンスに関するデータ収集を進め、組織の実行パフォーマンスを把握するためのパラメータの特定を進める。特にリアルタイムでのパフォーマンス測定機能の実現に向けて、状況変化に対するパフォーマンスの変化についての調査を進める。 (2) 自動マイルストーン設定と工程短縮のための知識登録についての可能性についてまとめる。自動マイルストーン設定とは現状の作業の性質の分析を行い、作業の区切りを自動的に設定して連続する作業を細分化することである。作業区切りを細かく設定して必要な知識をリンクすることによりパフォーマンスの向上が期待できる。そこで次年度は作業の性質分析手法についての調査を進める。また、行程短縮の方法として短期間のパフォーマンスの向上に特に着目して、短期間に於けるパフォーマンス向上のための作業の優先順位付け手法について検討する。短期間とは1週間を設定する。 (3) 感性データベースの構築に向けて 知識登録に於いて知識間の関連性を記録することにより、感性的な検索機能の実現に向けての調査を行う。感性的な検索とは例えば更に詳しく知りたい、又はより初歩的なことを知りたいと言う要求である。
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次年度の研究費の使用計画 |
簡易知識登録機能構築の計画遅れあり、理由は知識と知識登録時の環境情報を登録するに当たり、登録項目の選定検討に時間がかかっているため。 早期に簡易知識登録機能構築を行い、情報登録の試行を開始する予定である。
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