研究課題/領域番号 |
24500268
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 熊本高等専門学校 |
研究代表者 |
合志 和洋 熊本高等専門学校, 人間情報システム工学科, 准教授 (20303711)
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研究分担者 |
清田 公保 熊本高等専門学校, 人間情報システム工学科, 教授 (80186353)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 感性計測評価 / 脳内血液量 |
研究概要 |
本研究では,映像に同期させた音響やイスの振動,香り,風等の複合感覚を提示することで,現実性だけではなく,楽しさや迫力感などの感性向上効果を付与する技術の開発を目指す.そして,その感性向上効果を生体信号により客観的に評価し,より向上効果のある制御技術を確立することを目的とする.本研究期間においては,まず,映像に同期させてイスを揺らすことによる複合感覚の感性向上効果を重点的に研究する.つぎに,感性に対応した生体信号(脳内血液量)を抽出・処理し,生体信号を制御用信号として用いる技術について検討する.平成24年度の研究実績の概要は,つぎのとおりである. (1) イスの振動と感性の基本特性の明確化:映像に合わせてイスを左右および前後に揺らし,その振動条件変化させて感性量の変化を求めた. (2)イス振動と香り,風の複合化による感性の基本特性の明確化:(1)に加え,扇風機を利用して風を提示し,コンピュータによりその方向や強さ,風を提示する場所(顔など)を変化させ,同様に感性の変化をアンケートにより測定できるようにした.また,電気的にオンオフが可能な空気砲様の装置を製作し,香りの発生タイミングをコンピュータにより制御して,映像中のあるシーンにおいて香りを提示し,その種類や強さを変化させ,同様に感性の変化をアンケートにより測定できるようにした. (3) 感性量の測定:感性量の測定方法として,認知心理学で利用されているSD法によるアンケート調査を実施した.そのデータを用いて因子分析等を行い,主要感性量の変化を定量化できる. (4) ウェアラブル光トポグラフィによる計測技術の確立:平成25年度より使用する予定のウェアラブル光トポグラフィが導入されたので,基本的な計測技術,有効な刺激提示の方法,脳の活性部位の見分け方などを確立した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ほぼ計画通り,映像,振動イス,扇風機,および空気砲のコンピュータによる制御技術は確立できているものの,映像コンテンツや被験者の数は十分とは言い難い.平成25年度以降もひきつづき継続していく予定である. 平成24年度中にウェアラブル光トポグラフィを導入できた点は大きく,年度中に基本的な計測技術を確立できた点は良かった.
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今後の研究の推進方策 |
今後は,アンケートによる感性調査に加え,本格的にウェアラブル光トポグラフィによって脳内血液量の変化を測定し,感性評価のための関係付けを行っていく予定である.また,平成25年度に購入を計画している3次元環境構築ソフトを利用し,映像コンテンツを充実させ,併せて評価実験を行う予定である.
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次年度の研究費の使用計画 |
3次元環境構築ソフト「オメガスペース」
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