研究課題/領域番号 |
24500283
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
上村 龍太郎 東海大学, 情報教育センター, 教授 (80176643)
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研究分担者 |
竹内 晴彦 独立行政法人産業技術総合研究所, ヒューマンライフテクノロジー研究部門, 主任研究員 (00357401)
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キーワード | ニューラルネットワーク / 自己組織化マップ / 変数選択 / 機械学習 / 情報理論 / 教師付学習 / 自由エネルギー / 重要性分析 |
研究概要 |
情報論的自己組織化マップの目標をデータの出来るだけ忠実な表現を目指すことから、多様な目的に開かれた表現の研究へと変換することを研究の目標とした.平成25年度は,平成24年度の研究を継続する構成要素の重要性の研究と教師付学習法の開発をおこなった. まず,平成24年度においておこなった各構成要素個別の重要性分析の成果により各構成要素のどの部分が情報量最大化と最も関係しているか理解することが出来るようになった.この重要性分析を多くの問題に応用しその有効性を確かめた. 次に,自己組織化マップの教師付学習法への拡張である.自己組織化マップは強力な視覚化能力を持っている教師なし学習法である.複雑なパターンの特徴を自動的に獲得することができる. そこで,自己組織化マップの獲得した知識を用い教師付学習をおこなうことができないかどうか確かめた.もしこれが可能であれば,これまでの教師付学習の欠陥を克服する方法になるはずである.すなわち,学習した結果を解釈することができることになる. 自己組織化マップにより獲得された知識は理解しやすい形に単純化することができる.このことはニューラルネットワークがどのように情報処理をおこなっているのか理解するができるようになるはずである. 平成25年度は,自己組織化マップとRBFネットワークを結合し,教師付学習が可能であるかどうか確かめた.研究の結果,自己組織化マップの獲得した知識は教師付学習を迅速におこなうために非常に有効であることが分かった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
情報論的自己組織化マップの目標をデータの出来るだけ忠実な表現を目指すことから、多様な目的に開かれた表現の研究へと変換することを研究の目標とした. 平成24年度,25年度を通して,多様な目的,すなわち,単純な表現,自然な表現,社会的な表現を情報量を基に統合することが可能となった.さらに,多くの問題に応用し,その有効性を確かめることができた. これらの方法は,これまで教師なし学習の範囲で研究をおこなっていた.しかし,平成25年度の研究で,この方法は教師付学習にも拡張することができることがわかった.このことは,研究の応用分野大きく広がったことを意味する.
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度の研究により,情報論的自己組織マップは,教師なし,教師付学習の両方で用いることができることがわかった. 平成26年度は,この自己組織化マップを教師付学習へ拡張する研究を行う.研究は,次の2点に注意し行う. まず,教師付学習法を明確に定式化し,予測等の問題に応用する.従来の方法と比較して,新しい方法は優位であるか確認する. 第二に,方法をより複雑な多層型ニューラルネットワークへ拡張する.多層型ネットワークは複雑な問題によりうまく適用できる可能性がある.しかし,その学習は非常に困難であることがわかっている.自己組織化マップの獲得知識がこの学習に有効であるかどうか確かめる.
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次年度の研究費の使用計画 |
研究成果を年度末の国際会議で発表する予定であったが,研究に予想より時間がかかり,発表に間に合わなくなった.このため発表を次年度に先送りすることにした. 研究成果を国際会議で発表する予定である.この予算として使用する予定である.
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